酒井宏樹の浦和レッズ加入。最大の収穫は、ボランチの厚みにある。ここまでチームでは、ボランチの起用が流動的だった。出場機会を多く得る伊藤敦は強靱(きょうじん)なフィジカルを武器に奮闘しているが、まだルーキー。ベテラン阿部も39歳。新加入の金子も、満足なパフォーマンスを発揮できていない。複数ポジションをこなす西がボランチに回ることで、選択肢が増える。

言わずもがな、最終ラインは、J屈指の強固なものとなった。CBには東京オリンピック(五輪)世代のU-24オーストラリア代表候補のDFトーマス・デン、元日本代表のDF槙野が健在で、ここに新たに、今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)で、リバプールにも得点を決めたデンマーク人DFアレクサンダー・ショルツ(28=ミッティラン)が夏場から加わる。そこに酒井だ。4バックだけでなく、3バックの併用も見据えるロドリゲス監督の下、酒井-ショルツ-槙野、酒井-デン-ショルツなどという楽しみなバリエーションも増える。

前線ではショルツと同じデンマーク人FWユンカーが、説明不要の働きで得点源となっている。4月にユンカー、5月にショルツ、そして今回の酒井獲得。積極補強を進める「浦和帝国」は、前と後ろだけでなく、中盤にも厚みをもたせ、着実にACLへ侵略を進める。