ナポリピッツァ専門キッチンカー「Pizzeria Via Caravaggio53(ピッツェリア・カラバッジオ通り53番地)」のオーナー・柄澤利衛さん(64)が、J2新潟のスタジアムグルメパートナー(スタグル)としてホーム会場を盛り上げる。

南イタリアの大陽をイメージした真っ赤なキッチンカー。スタグルには昨シーズン終盤から出店している。

公務員としての定年退職が近づくにつれ、30代で旅行した際に食べたナポリピッツァを思い出した。一念発起し、退職した翌日に単身イタリアへ渡り、故マラドーナ氏も訪れたというナポリの名店「NOTIZIA」で修行。約4カ月で「ピッツァイオーロ」というピッツァ職人に必要な資格を取得した。帰国後の19年8月、キッチンカーでの移動販売を始めた。

作り置きは一切無し。オーダーを受けてから生地をこね、470℃以上に熱したイタリア製の石窯で一気に焼き上げる。トマトソースや小麦粉、オリーブオイルはイタリアから取り寄せ、塩は村上市・笹川流れの天然塩を使用する。通常メニューは7種類だが、スタグル出店時は1番人気のマルゲリータを含め3種類を用意している。常に行列が堪えないため、試合開始4時間前から休みなく働き続けるが「子供たちの笑顔や、みなさんからの『おいしかった』という言葉が原動力となっています」。

大のアルビファンで、公務員時代は年間パスポートを購入し、ホーム戦は欠かさずスタンドから声援を送った。現在はスタグルパートナーとしてチームを支える。「試合は見られないが、雰囲気は外まで伝わってくる。それも楽しみ方の1つ。今年こそJ1に再昇格してほしいです」とエールを送った。【小林忠】

◆柄澤利衛(からさわ・としえい)1956年(昭31)10月13日生まれ、阿賀野市(旧水原町)出身。新発田高から明大(法学部)に進学。卒業後は新潟に戻り、定年退職まで公務員として勤務。イタリア修業中はセリエA・ナポリの試合観戦に行くほどサッカー好き。休日は夫人とお菓子作りを楽しむ。