ビーチサッカー日本代表が、セネガル代表を5-2で下し、初の決勝進出を決めた。2年に1度開催されるW杯で、日本はラモス瑠偉氏が率いた19年パラグアイ大会の4位が最高だった。準々決勝はタヒチを延長戦の末に撃破。勢いをそこままに、FP赤熊卓弥(31=ラソアペーゴ北九州)が先制のPKを含むハットトリックの活躍で、歴史の扉を開けた。

監督は、選手と主将を兼ねる茂怜羅(もれいら)オズ(35=東京ヴェルディBS)。準決勝でも茂怜羅は先発出場し「プレーイングマネジャー」の役割を果たした。エースの赤熊は普段は福祉施設で働きながら選手を続けている。試合前は田畑輝樹コーチ(42)が「前回大会のベスト4の壁を超えられなかった悔しさを晴らしてくれ」と声を掛けていた。赤熊は「PKですごく緊張した中で、田畑コーチの言葉を思い出して強く蹴りました」と振り返った。

この2年、コロナ禍の影響で国際試合の機会がなかったが、昨年は5度、今年は6度の合宿を行い連係やコミュニケーションを深めてきた。赤熊は「合宿で選手間のコミュニケーションがとれてきて、大会中もいいときも悪いときも選手間でしっかりコミュニケーションがとれる関係にあることが、ひとつ勝ち上がった要因ではないかと思います」と胸を張った。

今大会はトレーナーが2人体制で、食事面も日本食を用意するなど、スタッフの支えも大きい。決勝は1次リーグで1-7で大敗したロシア。19年のW杯では、3位決定戦でロシアに敗れ、メダルを逃している。赤熊は「得点王を狙っている。決勝で僕がたくさん点を取って得点王になることがチームの優勝にもつながると思うので、しっかり得点王と世界一を狙ってがんばります」と意欲を見せた。