セレッソ大阪の4年ぶり2度目の優勝はならなかった。小菊昭雄監督(46)は8月末にコーチから内部昇格し、就任わずか66日目でのタイトル獲得はならなかった。

「今日のようなファイナルで勝ちきるのは、改めて困難なことだと感じた。選手は精いっぱい、最後までやってきたサッカーを貫いて戦ってくれた」

前半は慎重な戦いで0-0で折り返し、後半2分に先制されてからは名古屋の堅守が光る展開に。終わってみれば相手にペースを握られての完敗だった。

後半から途中出場した主将MF清武弘嗣(31)は「この準優勝は、やはり味わいたくないもの。決勝まできて(負けてしまえば)一番悔しいこと。クラブとしては、この経験を2度しないために学ばないといけない。選手も悔しい思いを糧にして成長していきたい」と反省した。

名古屋の優勝セレモニーを凝視した小菊監督は「私の監督としての力を上げないとと痛感した。リーグ戦、天皇杯準決勝が続くので、シーズン最後、全員でいい終わり方ができるようにしたい」と逆襲を誓う。

指揮官は滝川二、愛知学院大を卒業後、C大阪下部組織のコーチに採用され、今年で入団24年目。トップチームでのコーチは約15年間も務めてきた。

日本リーグやJリーグの選手経験がない日本人指導者が、93年のJリーグ発足後に3大タイトルを獲得すれば、史上初の快挙だった。「日本のモウリーニョ」と呼ぶ関係者もいるほど将来性を示しただけに、現在準決勝まで進んでいる天皇杯に期待は高まる。

今夏の途中加入で、天皇杯には出場登録できなかったMF乾貴士(33)は「天皇杯はみんな、やってくれると思う。僕はサポート役に回りたい」と仲間を支えていく。