J2アルビレックス新潟の来季新監督に松橋力蔵コーチ(53)の昇格が濃厚となった。今季限りで退任するアルベルト監督は新監督に関し「日本人監督が日本人選手の良さを生かしながら戦ってほしい」と希望。クラブ側も同監督が2年間でチームに根付かせた攻撃サッカー継続の方向を示している。松橋コーチは1月にJ1横浜から加入し、ベンチを外れる選手への指導や助言を行うなど「縁の下の力持ち」としてアルベルト体制を支え、その評価も高い。

現役時代はMFで89年に日産自動車サッカー部入り。攻撃的なポジションを得意とし、日本代表のレジェンドでもある「木村和司2世」とも呼ばれた。92年からはプロクラブになった横浜に在籍。その後は京都やJFLジヤトコを渡り歩き、01年に現役引退。ジヤトココーチ就任の02年から指導者のキャリアをスタートさせた。04年からは古巣横浜に戻り、ユースを率いた15年からの2季は数々のタイトルを獲得。トップチームコーチを務めた19年はポステゴグルー監督(現スコットランド1部セルティック)とともにJ1制覇に尽力した。

松橋コーチをよく知る関係者は「昔からボールポゼッションを好み、スペインのサッカーに興味があった。ここ(新潟)に来たのはアルベルト監督の影響もあったようだ。あとを継ぐのは大変だと思うけど頑張ってほしい」と、その手腕発揮に期待していた。

◆松橋力蔵(まつはし・りきぞう)1968年(昭43)8月22日生まれ、東京都出身。千葉・市原緑高-日産自動車-横浜-京都-ジヤトコ。02、03年ジヤトココーチ、04~20年は横浜でユースのコーチ・監督、トップチームのヘッドコーチを歴任。21年1月に新潟のコーチに就任。15年S級ライセンス取得。Jリーグ通算44試合出場3得点。JFL通算79試合出場15得点。