仙台育英(宮城)が「育英ダービー」に敗れ、プレミアリーグ初昇格を逃した。前半に3失点するなど後手後手の試合展開になり、前橋育英(群馬)に0-4で完敗。全国選手権初戦となる31日の滝川二(兵庫)戦に向けて勝利で勢いづけられなかった。

高校年代最高峰への道を閉ざされた。ただ、チャンスがなかったわけではない。公式記録上はシュート5本だが、相手DFにブロックされ、カウントされていないシュートが多数あった。この舞台に導く原動力になったFW佐藤遼(3年)も不発で「前半は判断が悪くてシュートまでいけず、後半は思い切ってやれたが、シュート精度を欠いてしまった」と反省した。

相手のプレースピードについていけず、前半20分に左クロスから先制され、同35分、同ロスタイム、後半25分と4失点。「昇格を目指していたので、負けたことは悔しいが、選手権前にチームの現在地を知れた点は良かった」と前を向く。そして「こういう状況ですけど、選手権は優勝を目指しているので、できるだけ得点を取って貢献したい」とリベンジを誓った。

試合会場のエディオンスタジアム広島は、城福敬監督(64)の弟である浩氏(60)が、18年から今年10月末の途中退任まで率いたJ1広島の本拠地。浩氏の今季ホーム戦績が5勝6分け6敗ということもあり、同監督は「弟はこのスタジアムであまり勝てないんだよなと思っていたら俺も勝てなかったな」。完敗を糧にする。「選手たちにはこの悔しい思いを選手権で晴らしてほしい」と逆襲へ期待を込めた。【山田愛斗】