子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。今回はGK林彰洋(34)。

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林はトレーニング以外でも1日の生活リズムとケアに気を使っている。「理想は午後10時には寝て、朝は6時に起きる」。練習後には毎回1時間ほどかけてマッサージなどをし、夕食後にも自宅にトレーナーを招いてケアを入れることもある。サッカー以外に使う時間は帰宅後の2時間ほどだ。

大のサウナ好きで、コロナ禍以前はよく通っていた。これも趣味以上に、体のため。「調子が整うのもそうだし、いい質の睡眠が取れる」。以前は試合時間が昼、夜と異なって続く期間などは生活リズムを保つのに苦労したが、サウナで変わった。「それがピタッと合う感覚があった。身体のキレも、いい睡眠が取れるとパフォーマンスが上がると実感した」。現在はコロナ禍で気軽に行けなくなり、あらためて重要性を感じている。

サウナの時間がなくなったこともあり、特に書籍を手に取る時間が多くなった。「サッカーしかやってこなかった。同年代の人が社会で学んでいることも、自分の中で抜けていることもあるかもしれないので」と、プロサッカー選手としての自身を客観的にも見ている。自己啓発本やビジネス書など、ジャンルを問わずに隙間時間で活字に触れている。

20年11月に右膝前十字靱帯(じんたい)損傷、外側半月板損傷という大けがを負い、手術を経て長いリハビリが続いている。自身のブログでも素直な心境をつづり、復帰に向けて試行錯誤しながら進んできた。「予想に反して苦戦した」と、想像以上に時間がかかってしまったことを率直に語りつつも1日でも早く復帰することだけに集中している。

◆林彰洋(はやし・あきひろ)1987年(昭62)5月7日生まれ、東京都東大和市出身。ポジションはGK。流通経大からプレミアリーグ2部プリマス・アーガイル入りし、ベルギー1部シャルルロワを経て12年に清水入り。13~16年は鳥栖でプレーし、17年に東京へ入団した。12年4月にザックジャパンの日本代表候補に招集され、その後14年にアギーレジャパン、17年にはハリルジャパンにそれぞれ招集されている。195センチ、90キロ。