元サッカー日本代表FWカズ(三浦知良、54)が加入したJFLの鈴鹿ポイントゲッターズが22日、三重県鈴鹿市内でトレーニングキャンプをスタートした。

初日に、Jリーグのヴェルディ川崎(現J2東京V)で2トップを組んだ、元日本代表FWの武田修宏氏(54)が特別ゲストとして参加した。カズは選手、武田氏はコーチと立場は変わったが、V川崎時代の97年以来、四半世紀ぶりの“2トップ”での練習となった。

  ◇  ◇  ◇

カズにとって鈴鹿でのキャンプ初日に盟友・武田氏が駆けつけた。同氏は、カズが昨年12月に大阪府内で行った自主トレもともにしており、カズの実兄・三浦泰年監督(56)から「初めて鈴鹿でキャンプをするから、ストライカーコーチでお手伝いに来て下さい」と要請を受けて参加。リーグ戦で最後に2トップを組んだのは、武田氏が97年7月に京都パープルサンガ(現J1京都)に移籍する前の同5月24日の名古屋-V川崎戦で、四半世紀ぶりの“2トップ結成”となった。

カズは、2日のオフ明けながら三浦監督が組んだフィジカル中心のハードなメニューを黙々とこなした。若手に交じって、3人でダイレクトパスを回しながら、シュートを打ち込んだ。武田氏は若い選手に声をかけ、ピッチ内に目を光らせつつ、カズの姿を見て「54歳がこなせるメニューではない中、頑張っていた。素晴らしかった」と、大きな刺激を受けたという。

午前練習後、三浦監督が武田氏を選手に紹介すると、すかさずカズが「『武田』。呼び捨てで良いからな」とツッコミを入れ、キャンプの空気は一気に明るくなったという。武田氏は「若い選手はバラエティー番組で僕らの絡みを見ている。盛り上がったんじゃないかな」と笑みを浮かべた。

V川崎の前身の日本サッカーリーグ・読売クラブ時代は同僚の、三浦監督も交えて3人でパス練習も行った。武田氏は「疲れていても止める、蹴る技術は昔と変わらなかった」とカズを絶賛。23日には、読売クラブ、V川崎で後輩だった藤吉信次監督(51)率いる、北信越1部福井ユナイテッドとの練習試合が行われる。武田氏は「プロではなかった読売時代、黙々とサッカーをした時代を思い出した。ヴェルディの面々が集まって鈴鹿が盛り上がれば良い」と力を込めた。

 

◆カズと武田氏の2トップ 武田氏は清水東高(静岡)卒業後の86年に読売クラブに入団し、カズは90年にブラジルの名門サントスから読売クラブに移籍。高い技術を誇るカズと、独特の嗅覚でゴール前に抜け出し“ごっつぁんゴール”を決める1学年下の武田氏のコンビは相性抜群。読売クラブが92年に川崎になり、93年のJリーグ開幕以降、カズが20点、16点、23点を決めれば、武田氏も17点、23点、20点と、2人そろって3季連続で2ケタ得点。コンビで119ゴールを記録。Jリーグ草創期屈指の2トップとして歴史に名を残す。