開幕戦で実現したA組の大阪ダービーは、セレッソ大阪がMF中原輝(25)の決勝弾で3-2と競り勝った。J2山形から新加入し、公式戦初先発で1得点1アシスト。J2岡山から加入のMF上門(うえじょう)知樹(24)も初得点するなど新戦力が躍動した。1次リーグはA~D組の各上位2チームが8強を懸けたプレーオフに進み、ACLに出場する川崎Fなど4チームは準々決勝から登場する。

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熊本・山鹿市生まれの25歳が、人生初の大阪ダービーで決勝点&1アシスト。C大阪を今季公式戦初勝利に導いたMF中原は「サポーターの熱量を感じていた。(移籍して)早い段階でゴールを決め、しっかり勝てたのは大きい」。名前の「輝」(ひかる)のように、まぶしい活躍だった。

2点差の楽勝ムードが後半、連続失点で同点にされた。防戦一方の展開から迎えた後半39分、MF新井の左クロスに、中原が左足で合わせた。鮮やかな速攻だった。「ゴール前で触るだけ。決めきることができてよかった」。

日本代表にも選ばれたMF坂元が今冬、ベルギー1部オーステンデへ移籍したため、C大阪は坂元と同じJ2山形から同じ左利き、169センチ、66キロとほぼ同じ体格の中原を獲得した。坂元の背番号17とは違う41を付けるが、同じ右の2列目での存在感は同等。19日のJ1開幕横浜戦では途中からデビューしていた。

J3熊本(現J2)とJ2山形をわずか計3年で卒業し、初挑戦のJ1で早くも結果を出した中原は、熊本のクラブ関係者から「当時から寡黙でまじめ。大阪でも成功するはず」とエールを送られる存在だ。

大久保嘉人の引退でJ2岡山から補強されたMF上門もこの日、公式戦初出場を先発で飾った。前半41分、中原のアシストで記念すべき初ゴール。昨季のJ2で13得点とブレークした沖縄・うるま市生まれの24歳は「感覚で打った。自分の特長が出たゴール」と感無量の表情だ。

これで敵地パナスタでの大阪ダービーは20年から4連勝。小菊監督は「結果が求められた中で勝ちきったことがすべて」と胸を張る。昨年のルヴァン杯準優勝のC大阪は、5年ぶりの戴冠へ最高のスタートを切った。【横田和幸】

◆C大阪のその他の新戦力 徳島から加入のMF鈴木は、公式戦初先発でMF為田の先制点を直接FKでアシスト。京都から加入のGK清水も初出場。浦和から移籍の元日本代表DF山中は初先発し、前半は圧倒的な攻撃力を披露した。17歳の高校2年、ユース所属のFW北野は初先発で4本のシュートを放った。

 

◆ルヴァン杯◆ 1次リーグはJ1の14チームとJ2の2チーム(前年J1の徳島と大分)の計16チームを4組に分け、各組2回戦のリーグ戦を行う。各組上位2チームの計8チームがプレーオフに進み、勝者の4チームが突破となる。ACL勢(川崎F、浦和、横浜、神戸)とともに8月3、10日の準々決勝に臨む。準決勝は9月21、25日、決勝は10月22日