青森山田が大津(熊本)との「選手権決勝対決」を1-0で制し、今大会初勝利をつかんだ。トップ下で先発したMF小野理竜(りろ、2年)の先制ゴールが決勝点になった。1月10日の全国選手権決勝は、J1のFC東京でブレーク中のMF松木玖生(くりゅう、18)らを擁し、大津を4-0で撃破。全国高校総体、プレミアリーグEASTとの3冠を達成した。新チームで臨む今大会は2連敗スタートだったが、この1勝を反撃への足がかりにする。

新司令塔の小野が雨中のゲームで勝利を呼び込んだ。前半25分、味方が放ったシュートのこぼれ球に反応し「思い切って打てた」。すぐさま右足を振り抜くと、ボールは相手DFに当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。「2連敗して、これ以上は負けられなかった。選手権やインターハイ(全国総体)で当たるチームに自分のゴールで勝ててうれしい」。新背番号「10」のFW小湊絆(つな、2年)と常に近い距離を保つことを意識しながらゴールという結果を残した。

67日前の選手権決勝は東京・国立競技場のスタンドで応援していた。3冠を達成した前チームは「観客が大勢いる中でも、いつも通りプレーできるメンタルや迫力がすごいと思った」と刺激を受けてきた。この日の相手は雪辱に燃える大津で「青森山田に対し、すごい勢いでくるのは分かっていた。受けるのではなく『自分たちがチャレンジャー』の意識で戦った」。リベンジは許さなかった。

「リロ」という名前は「理路整然」が由来だという。予選リーグ3戦を終えて1勝2敗。今日19日は長崎総合科学大付、東海大福岡とのダブルヘッダーで予選を締めくくる。「絶対に落とせない2試合になる。疲労もたまっているが、全力でプレーしたい」。ゲームメーカーとして勝利への道筋を描く。【山田愛斗】