人気漫画「キャプテン翼」のリアル版として注目される南葛SC(高橋陽一代表)が、ホームで苦杯をなめた。

開幕3節を終えて3分けと勝利がなく、ホームサポーターを前に初勝利を届けようと意気込んだ一戦。「ボールは友だち」の南葛SCは、持ち前のテンポのいいパスワークで切り崩しにかかった。だが、降りしきる冷たい風雨もあって思わぬミスが出た。

前半10分、自陣でトラップミスを栃木シティに拾われると、そのまま左サイドを縦に持ち込まれ、中央へ鋭く入ったボールから早々と失点。南葛スタイルにはスリッピーな人工芝ピッチがあだになった。

反撃を試みたが、栃木シティの激しいチャージと切れ味鋭いカウンター攻撃の前に、思うようにリズムをつくれず。そんな中、前半29分にDF下平匠が主審の判定に異議を繰り返し唱え、イエローカード2枚で退場。1点ビハインドの前半で数的不利をかこった。

後半も10人でボールを保持するスタイルを貫いたが、相手の激しいボール狩りと雨の悪コンディションに大苦戦。再三、決定的な場面をつくられ、流れを変えられない。

後半40分には南葛のリアル翼くん、MF中村翼を投入。さらにDFデイビッソンの高さを生かしたパワープレーからゴールを狙った。だが、決定的な場面をつくれぬまま0-1で敗れた。今季リーグ戦で初黒星となった。

悔しさをあらわにしたのがMF関口訓充。「自分たちのミスで失点し、レフェリーの判定にフラストレーションをためて自分たちでゲームを壊してしまった」。

ベガルタ仙台、浦和レッズ、セレッソ大阪で活躍し、元日本代表でもあるベテランは、この日も巧みなボール扱いで好機をつくった。何より相手の攻撃をスライディングタックルで止めるなど、誰よりも闘争心を持ってプレーしていた。

「ボールを持てるチームなので、そこからどうゴールを奪いにいくか。もっと前への推進力、意識を強く持ってプレーしていかなければいけない」と歯がゆさを隠せない。

チームは今季4試合で開幕からスコアは1-1、0-0、2-2、そして0-1。得点3、失点4。ただ「ここまで悪い展開ではないので、1つ勝てればチャンスはあるかなと思っています」と関口は強い覚悟で巻き返しを誓った。

なお、この日は開幕から3試合に出場していたDF今野泰幸がベンチから外れ、MF稲本潤一が初めてベンチ入りしたが出場機会はなかった。