J2ジェフユナイテッド千葉は2日、1日に亡くなった元監督、イビチャ・オシム氏への哀悼の意を示した。公式サイトに「ジェフユナイテッド市原・千葉で2003年から2006年途中までの約3年半にわたり監督を務めていたイビチャ・オシム氏が、5月1日にご自宅のあるオーストリア・グラーツにてご逝去(享年80歳)されました。在任中はクラブの発展のために多大なるご尽力をいただきました。ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします」と声明を発表した。

 

また昨年、クラブ30周年記念事業として佐藤勇人CUOがオシム氏にインタビューを行った際の同氏の言葉も紹介。「私たちがオシム氏からいただいた最後の言葉です。オシムさん、心よりご冥福をお祈りいたします」と記した。以下、ジェフ千葉公式サイトに掲載された佐藤CUOによるオシム氏のインタビュー。

 

オシム氏 日本のみなさん一人ひとりにあいさつしたいが、日本は人口が多すぎる。よろしくといっているうちに舌が伸びてしまうかもしれない。

ジェフはジェフだ。本来はJ1にいるのがふさわしいチームだ。どうしたらそこに戻れるのか、考えなければ。

そのためには、チーム経費をできるだけ少なく、チームのクオリティをできるだけ高くしなければならないが、両立は簡単ではない。

ぼやぼやしていると、給料の高いチームに移りたいと言い出す選手が出てくるかもしれない。

残念ながら、サッカー界全体がお金に買われてしまったような状態だ。サッカー界が大地から離れて、ふわふわ浮き上がっている状態なのが心配だ。

サッカーで勝つにはお金がかかるようになってきている。しかし大半のチームにはそんなに資金はない。

よいアイデアを実行するにも先立つものが必要だ。しかし、そこで大切なことは、どんなポストについていても、明日の世界がどうなるのかを常に考えて、そなえることだ。過去のことは過去にすぎない。くよくよしても仕方がない。しかし、明日のことを考える時に、過去の失敗の例を振り返ることは役に立つことがある。とくにサッカーのレベルアップをめざす時にはそうだ。

サッカーには金がかかるようになった。日本のサッカー界も同じだ。そう感じるだろう。この前のオリンピックも、そのための国際会議も、莫大なお金が使われた。使ったお金は返さなければならない。そのためには稼がなければ。大事なのはアイデアをだすことだ。頭を使うことだ。

さまざまなアイデアを出すことが革新につながる。もちろん全部のアイデアが採用されるわけではないが、未来を予測して、それに見合ったアイデアを出すことが大切だ。一歩一歩、進んでいくしかない。

 

勇人CUO ブラボーと言ってください

 

オシム氏 ブラボー。ありがとう。いい仕事をするためには、誰かいい相棒を見つける必要がある。

何人かでアイデアを出し合えば、ひとりよりももっといいアイデアが出てくる。

勇人と話せてよかったよ。元気そうでよかった。

もし監督が必要ならここにいるぞ。選手がほしいならいってくれ。みんなによろしく!じゃあまた、チャオ!バイバイ!