ホームで今季2勝目を逃したヴィッセル神戸のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(64)は、険しい表情だった。

シュート16本を放ちながら、4本の磐田に引き分け。最下位から抜け出せず、17位湘南との勝ち点差は「5」に広がった。

ロティーナ監督は「全体的に試合はコントロールできていた。ほとんど(磐田に)チャンスを作らせることはせずに、試合を支配した。1点目を決める運がなかったことで、勝ち点(3)を失ってしまった」と力なくつぶやいた。

J1屈指の戦力を擁しながら、残留争いに巻き込まれた。ゴール前の狭いスペースを無理やりこじ開けようとしてボールを失う悪循環に加え、カウンターで好機になりそうな場面で走れずに武藤が孤立することもあった。

理想の攻撃と現実とのギャップが、低迷する要因にもなっている。

同監督は「掲げていた目標よりも上で戦えている時は、必然的に自信を持って戦えるもの。(逆に)低い目標で戦わざるを得ない時は自信を失い、焦りが生まれる。サッカー選手も人間なので、そういうことは起こり得る」と語った。

まさかの低迷により、責任を痛感したオーナーの三木谷浩史会長(57)が、SNSで自身の進退に言及する事態にまで発展した。23日に練習場を緊急訪問し、改めてクラブ再建に尽力する思いを語りつつ選手を激励したが、願いは届かなかった。

中3日で29日にはホームで札幌と対戦する。苦境から抜け出すために、是が非でも勝利が欲しい。