北海道コンサドーレ札幌は名古屋グランパスに2-2で引き分けた。前半31分にMF深井一希(27)が先制ゴールを決め、1-2の後半ロスタイム2分、MF青木亮太(26)のゴールで同点に追いついた。土壇場で勝ち点1をもぎ取ったが、順位は14位のまま。5試合連続未勝利で、踏ん張り時が続く。

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札幌が5試合ぶり勝利を手にできなかった。名古屋と勝ち点を分け合った。後半36分に一時勝ち越された。ロスタイムで追いついたが、そこまでだった。ペトロビッチ監督(64)は「名古屋は交代含めて質のいい選手をそろえている。うちの右サイドを崩されて同点、逆転を許してしまった」と分析。「引き分けという結果は今日の試合ではコレクトな(正しい)結果だと思う」と受け止めていた。

4試合ぶりの得点が生まれ、先制に成功した。決めたのはケガから3試合ぶり復帰の深井。MF荒野からの縦パスを受け、ゴールに流し込んだ右足には、テーピングが巻かれていた。引き分けに「最後1点追いつくか追いつかないかで、かなり違う」と安堵(あんど)。1点を追う終了間際の左CKから右足で同点弾を奪った青木は「何とか気持ちで押し込んだ」と振り返った。

ペトロビッチ監督は中継したDAZNの試合後インタビューに姿を見せず、すみやかに選手を集めてミーティングを開始した。試合中、なかなかうまくいかない時間帯にベンチに向かってイラだちを態度で示した選手がいたからだった。ミーティングでの同監督の様子は、参加した選手の目には「怒っていたというより、少し悲しんでいた」ように映ったという。勝利への強い気持ちは、プレーにぶつけることを再確認。この日の気持ちの引き締めが、結果に反映されれば好転するはずだ。

現在14位。勝てば順位を上げられたが、そのままとなった。残り11試合、勝ち点3から遠ざかり続けると、残留が厳しい状況になる。先制後に逆転を許しただけに深井は「勝っている時の試合運びとかを、もっと考えていかないといけない」と白星への課題を挙げた。リードを守り切るための策は、今後のために早めに打たなければならない。【保坂果那】