J1アビスパ福岡MF前寛之(27)が、コロナ禍の逆境を乗り越えての連敗ストップを誓った。

23日、福岡市内で約2時間、8月26日サガン鳥栖戦(駅スタ)に向けた練習後にオンライン対応。9対9など実戦形式練習で、今夏加入のMF平塚悠知(26)とボランチを組んだ前は“九州ダービー”を控え「勝ち点3が欲しいので、内容より結果にこだわって勝利を目指したい」。5戦ぶりの白星奪取に気合を見せた。

福岡は、7月下旬からチーム内の新型コロナウイルス集団感染の影響で、陽性者が累計で30人を数える異常事態が続いた。その間、チームコンディションも上がらず、リーグ戦は、4失点完敗だった20日川崎フロンターレ戦まで今季初の3連敗を喫した。

前は、現状について「トレーニングに戻り数日しかたってない選手がいる。(チームの)コンディションは100パーセントじゃない厳しい状態ではある」と代弁する。

その中で、中盤の要であるMF中村駿(28)は別メニュー調整中。センターバックのドグラス・グローリ(32)は鳥栖戦で出場停止となっている。過密日程の中で、まさに“満身創痍(そうい)”だ。

それでも、総力戦で負けるわけにはいかない。若手が多く豊富な運動量でハードワークする鳥栖との試合を含め、残り9試合。GK村上昌謙(30)は「1戦1戦、決勝のつもりでやる。ここまで負けたら終わりという強い気持ちを持ちたい」と背水の覚悟でいる。

左サイドでの鳥栖戦先発が予想されるMF田中達也(30)も「最後のラストパスの精度や、チーム内の意思共有をもっと高めていかないといけない」と言い、質の高いクロスを供給してゴールをこじ開けるつもりだ。【菊川光一】