サンフレッチェ広島が大一番を前に、まさかの惨敗を喫した。

DF今津が前半9分、危険なプレーで一発退場処分に。早々と数的不利になり、最終的に4失点を招いた。

16日に天皇杯決勝、22日にルヴァン杯決勝という、今季2冠獲得が目前の広島はこの日、先発は前節1日の浦和レッズ戦から10人を入れ替え、120分戦った直近5日の天皇杯準決勝京都サンガ戦からは、全員を入れ替えた。

元々はこの日、DF荒木が累積警告で出場停止だったし、2つの決勝に臨むために、ミヒャエル・スキッベ監督(57)は大胆なターンオーバーで敵地に乗り込んできた。好調ヴィッセル神戸に苦戦は覚悟していたが、さすがに10人では対抗しきれなかった。

ドイツ人指揮官は会見で「神戸におめでとうと言いたい。勝ちに値する試合だった。うちは早い段階で1人足りなくなり、不運だった」と、冷静に敗戦を受け止めた。

先発は約3カ月ぶりだった36歳の大ベテラン、MF青山は「チームとして、まとまってやったのは確か」と、全力を尽くしたことを強調した上で「(自分たちのサッカーをするのが)難しかったですね」と振り返った。

120分の死闘から中2日だったDF佐々木は、温存されてベンチスタートだったものの、退場を受け、前半14分に緊急投入された。

「(天皇杯の影響は)何も関係ない。先に失点してしまい、2、3、4点と、短い時間で与えてしまったのがもったいなかった」

この敗戦で、3位につけるリーグ戦の優勝の可能性は完全に消滅した。

カップ戦2冠獲得に懸けるスキッベ監督は「今日はけがなく、試合を終えられたことが天皇杯に向けてよかった材料。選手は全力を尽くしてくれた」と、過密日程に挑み続ける選手をねぎらった。

GK大迫、DF野上、MF野津田、柏、茶島、満田、FWドウグラス・ヴィエイラら多くの主力を広島に残した今回の遠征。前節から唯一、連続で先発した33歳のDF塩谷は「負けた結果が変わることはない。日曜日(天皇杯決勝)まで時間はある。まずはメンタル(を立て直したい)」とコメントし、頂上決戦を見据えた。