今大会で創設30周年を迎えたYBCルヴァン・カップの決勝、セレッソ大阪-サンフレッチェ広島戦が22日、東京・国立競技場で開催される。93年のJリーグ開幕に先駆けて92年からスタートしたルヴァン・カップは、ヤマザキビスケット社が第1回大会から特別協賛を続け、13年には「同一企業の協賛で最も長く開催されたプロサッカーリーグの大会」としてギネス世界記録に認定。日本サッカー界の発展に大きく貢献している。

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日本サッカーの発展を支え、Jリーグとともに歩んできたYBCルヴァンカップが、今大会で創設30周年を迎えた。Jリーグ開幕への機運を高めた92年の第1回大会から、数えること30回。サッカー界の秋の風物詩となった決勝は「聖地」国立競技場で開催される。

振り返れば、数え切れないほどの激闘があった。ルヴァン杯を戴冠することで、多くのクラブが歴史をつくった。00年には鹿島がリーグ初の3冠につなげ、03年の浦和はその後躍進を遂げた。08年は大分が九州に初タイトルを持ち帰った。MVPやニューヒーロー賞に選ばれたことをきっかけに一気に日本代表に上り詰め、海外に活躍の場を移した選手も多数いる。

第1回大会から大会を特別協賛し続けているのが、ヤマザキビスケット社だ。16年には社名変更に伴い、シーズン途中で大会名称が「ヤマザキナビスコカップ」から「YBCルヴァンカップ」に変更された。当時、同社はJリーグに配慮して16年シーズン中は名称を変更しない意向を示したが、Jリーグ側が同社の新社名と基幹商品のアピールを視野に入れて名称変更を提案。お互いの立場を思いやりながら、最善の決断を下した。これまで積み重ねてきた信頼の証しだった。

13年には「同一企業の協賛で最も長く開催されたプロサッカーリーグの大会」としてギネス世界記録に認定され、現在も記録更新中だ。この「幸せな関係」が続くことが、日本サッカーの追い風になるはずだ。