藤枝明誠は2-1で藤枝東との「藤枝ダービー」を制すも、2位で今季を終えた。

吉報は届かなかった。試合後、藤枝明誠イレブンに「浜松開誠館勝利」の結果が知らされた。最終節で藤枝東に競り勝ったが、勝ち点差「3」は縮まらず。逆転Vには届かなかった。それでも、16年に記録した過去最高成績の3位を上回る2位。松本安司監督(53)は「優勝させてあげたかった…。ただ、負けて2位ではなく勝って2位。選手たちはよくやった」と、教え子をねぎらった。

0-0の前半7分。MF山本朱羽(しゅう、3年)が、CKの混戦から押し込み先制。同14分にも、DF越前吏功(りく、2年)がCKを合わせて突き放した。試合終盤には、ベンチ入りした3年生全員がピッチへ。リードを守って、勝利を分かち合った。山本朱が「みんなで戦えて良かった」と言えば、DF山本蒼太主将(3年)も「楽しかった」。最後は、全部員が駆けつけた応援席へ笑顔で勝利を報告した。

今季、藤枝東とは県総体、プリンスリーグ前期と2度対戦。PK戦勝利と引き分けだった。この日、高校最後の公式戦で迎えた3度目の「藤枝ダービー」は、前後半で同地区のライバルを撃破。山本蒼は「最後に(時間内で)決着をつけられてうれしい」。山本朱も「3年間の集大成として最高の結果だった」と、声を弾ませた。栄冠こそ逃したが、悔いはない。有終の美にふさわしい勝利だった。【前田和哉】