19大会連続19度目出場の藤枝順心(東海1位)が、15大会連続15度目出場の作陽(中国1位=岡山)を1-0で下し、2大会ぶり6度目の優勝に王手をかけた。0-0の後半11分、MF下吉優衣(2年)が決めた大会初ゴールが決勝点。前回大会で敗れた準決勝を突破した。決勝は8日午後2時10分からノエビアスタジアム神戸で行われ、十文字(関東1位=東京)と対戦する。

1年前に涙を流した舞台で、藤枝順心イレブンが笑った。1-0のまま、表示された後半ロスタイムの2分が経過。最後は自陣からボールを蹴り出し、決勝進出を告げる笛が鳴った。前回大会は、この準決勝で日ノ本学園(兵庫)に0-1。ゲーム主将を務めたMF浅田幸子(3年)は「勝ててホッとしている」と雪辱の1勝をかみしめた。

新たなヒロインが誕生した。0-0の後半11分。ペナルティーエリア外で横パスを受けた下吉が、迷わず左足を振り抜いた。「シュートの意識を持てと言われてきた。思い切って打った」。体重の乗った豪快な一撃はクロスバーをたたき、ネットを揺らした。待望の今大会初得点。「うれしかった」と、歓喜の中心で顔をくしゃくしゃにした。

スコア以上の完勝だった。試合前、中村翔監督(34)がポイントに挙げた「リスク管理」を最後まで徹底。攻守の切り替えで作陽を上回り、自由を与えない。許したシュートは前後半90分でわずか1本。危なげなかった。同監督も「試合を通して、やるべきことを徹底できた」と目を細めた。

歴代最多6度目の優勝を懸け、最終決戦では十文字と対戦する。チームは過去6度進んだ決勝で5勝。勝率は8割を超える。21年の就任後、全国初タイトルを狙う指揮官は「個人的な思いはない。選手たちがピッチで良さを発揮できるようにしたい。それが、最後に優勝という形になってくれれば」。浅田も「一丸となって最後まで粘り強く、泥くさく戦って勝ちたい」と言葉に力を込めた。女王奪還まで、あと1勝だ。【前田和哉】