元気な姿を見せるのが、故郷への恩返し。札幌出身の元日本代表MF山瀬功治(41=J2レノファ山口)が3月19日のJ2金沢戦で、プロデビューした00年から続くJリーグ連続ゴール記録を24年に伸ばした。

98年から21年まで得点を決め続けた元日本代表MF遠藤保仁(43=磐田)に並ぶJリーグタイ記録。来年新記録に挑むベテランに、現在の心境を聞いた。【取材・構成=中島洋尚】

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00年にJ2コンサドーレ札幌でデビューし、8チームを渡り歩いた。どのシーズンも必ず1度は刻んできたゴール記録が、今年もつながった。1-5で迎えた金沢戦の後半ロスタイム。同じ札幌出身のMF前貴之(29)がペナルティーエリア内で倒されてもらったPKを、ゴール左スミに強く蹴り込んだ。

山瀬 記録を達成できたことは素直にうれしいし、ホッとした気持ちもある。

プロ3年目で右ひざ、2年後には左ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂した。04年アテネ五輪は最終予選までメンバーだったが、本大会からは漏れた。日本代表として13試合出場、5ゴールを挙げたが、W杯出場は果たせていない。それでも毎年結果を出し、MF遠藤が21年まで継続した24年連続ゴールに並んだ。

山瀬 (札幌と横浜で指揮官だった)岡田(武史)監督(66)も含めて、現役を続けて行く上で、数え切れないぐらいの方にお世話になった。自分が達成したというよりは「達成させてもらった」思いが強い。そしてやっぱり、妻と2人で、今の僕という選手を作り上げている部分はある。栄養面に限らず、体のケアという部分も含めて。

今季はこれまで6試合ベンチ入りし、3試合に途中出場。全体練習後は必ず居残り練習し、最後はジョグで終える。ロッカーに戻るのはほとんど一番最後だ。

山瀬 プレーさせてもらっている以上は、少しでも向上したい。この年ですから衰えはある。ただ、衰えを緩やかにして、向上させることはできるはず。やらなきゃいけないことは尽きない。ただ今季のここまでは、コンディションもフィーリングも割と悪くない。

Jリーグタイ記録に並んですぐ、恩師の北海高サッカー部・島谷制勝監督(53)から、お祝いのメッセージが届いた。故郷であり、24年間のプロ生活が始まった北海道は特別な土地だ。

山瀬 少しでも選手を続けることであったり、24年連続ゴールのようなことで示せれば、僕を育ててくれた北海道、札幌の地への恩返しの1つにもなる。その上で、少しでも(札幌にいた)当時を懐かしんでくれる方がいたら、うれしい。

 

◆山瀬功治(やませ・こうじ)1981年(昭56)9月22日、札幌市生まれ。5歳でサッカーをはじめ、中学時代にブラジルへのサッカー留学を経験。00年に当時J2の札幌に加入。その後、浦和-横浜-川崎F-京都-福岡-愛媛-山口。国際Aマッチ13試合出場5得点。妻は料理研究家の山瀬理恵子さん。175センチ、75キロ。