北海道コンサドーレ札幌はアビスパ福岡に2-2で引き分けた。

前半5分にMF荒野拓馬(30)の今季初ゴールで先制し、同13分にFW浅野雄也(26)が2点目を追加。後半8分に浅野がロングシュートを決めて3-1にリードを広げたかに見えたが、VARの結果、約30秒前のMF青木亮太(27)によるペナルティーエリア内でのハンドで得点は認められず、逆にPKを決められて追いつかれた。2点のリードを守り切れず、後味の悪いドローとなった。

試合終了と同時に札幌サポーターによる主審に対するブーイングが響いた。後半ロスタイムに判定への異議を唱えて思わずピッチに入り、イエローカードを受けたペトロビッチ監督(65)は「私は40年以上プロのキャリアがあるが、自分たちがゴールを決めたシーンで逆に自分たちがPKで失点する、稀な判定が起こったシチュエーションだった」と振り返った。

スコアが3-1の2点リードと思いきや2-2の同点になったことが、ブーイングにつながった。浅野が悔しそうに「(決めた瞬間は)めっちゃうれしかったですよ」と幻のゴールを振り返った。相手GKの村上とは水戸ホーリーホック時代に一緒にプレーしており、大体大の先輩。前半から前への立ち位置を確認し「タイミングあれば狙おうと思ってうまくいった」と、技ありのロングシュートだっただけに悔しさは大きい。それでも「あそこで白黒つけないとダメなので。それが審判の仕事」と尊重した。

前半は高い連動性で福岡を崩し、得点を重ねた。MFルーカスからのパスに浅野が「プロ初です」という右足での相手の股を抜くゴールで2点目を奪った。「ここに来るだろうと信じていた」と走り込み、イメージどおりにつながった。

リードを守り切れなかった悔しさは残る。先制するも勝利を逃したのは、同じ2点リードから2-2だったG大阪戦含め今季4戦目。失点した7試合で前半は計7失点に対して後半は計12失点と多く、課題として挙がる。「最後ゴール前で体を張るとか、意識次第で変わっていた結果。切り替えて次に向けていい準備をしていきたい」と浅野。次節横浜FC戦では3戦ぶり勝利をつかみ取る。【保坂果那】