北海道コンサドーレ札幌が今季最多5得点を挙げ、5-1でFC東京に快勝した。

FW菅大輝(24)がプロ初の1試合2得点をマークした。1-0の前半28分、ペナルティーエリア左から左足でダイレクトシュートを放ち、2点目を追加。3-0の後半5分には、利き足とは逆の右足から4点目を流し込んだ。今季3得点でシーズン自己最多まであと1点。暫定ながらリーグ最多25得点の攻撃的チームの左サイドで躍動している。

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菅が得点後、頭を差し出した。相手は札幌側のベンチで待ち構えていたMF小林。自身1点目に“ペチペチ”とたたいて祝福された。いつもは先輩だろうと関係なく、追いかけてでも仲間を手荒く祝う側だが、「多分サポーターのみなさんもアレを待っていたと思うので。サポーターの前でやれて良かった」。サポーター期待の瞬間を届け、満足そうだった。

1試合2得点はプロ7年目で初。「今季最初の方は外しまくっていた。決めたら勝てない試合が多かった。2得点で勝つことができてよかった」と、ほっとする。シーズン自己最多は昨季の4得点。あと1点に迫り「もっともっと狙っていけたら」と、大幅更新を視野に入れる。

活躍の予感はあった。試合前のウオーミングアップ。シュート練習中、右足の感覚が良かった。「今日ワンチャンあるんじゃないか」と期待して臨み、後半5分。MF駒井から送られたパスに右足でゴール。かねて「右足はおもちゃ」と逆足に苦手意識があったが、「自信を持って打つことができた」。もともと武器の左足に加え、右足の向上は、相手にとって脅威となる。

前半時点の3-0から守りに入らず、4点目、5点目を決めきり、攻撃的スタイルを掲げる札幌らしい最高の勝利。ハーフタイムでのロッカールームで選手たちに「後半もまだ攻め続けよう」と鼓舞したペトロビッチ監督(65)は「攻撃的スタイルがどんどん成熟されてきている」とご満悦。 あと5試合を順調に消化すればJ1歴代最年少での通算200試合出場の記録達成が期待される24歳の菅は「失点多いのは良くないが、その分、得点で上回るのがミシャさんのサッカー」。今季チーム通算25得点で、暫定でリーグ最多に浮上し、ゴールデンウイーク3連戦ラストを最高の形で締めくくった。【保坂果那】

○…MF金子 5試合ぶり今季2度目の1試合2得点を挙げた。2-0の前半38分、DF福森がペナルティーエリア内で倒されて獲得したPKのキッカーに志願して、ゴール右にきっちり決めた。4-1の後半ロスタイム3分には、チームの5点目を奪ってダメ押し。自身もシーズン5点目で「4-1でもリードしていても点を取りにいくのが札幌のサッカー。今後につながる」と自信にしていた。