Jリーグの開幕30周年記念イベントが15日に都内で開催され、「ベストゴール」が6つの部門に分けて発表された。
ミドル・ロングシュート部門には、07年3月3日J1第1節浦和レッズ-横浜FCのFW久保竜彦のゴールが選出された。出席した久保氏は「自信というか、打ってみようかなと思って。覚えてもらっていてうれしい」と笑みを浮かべた。
▽ミドル・ロングシュート部門
久保竜彦
07年3月3日J1第1節浦和レッズ-横浜FC
【復刻】2007年(平19)3月4日付日刊スポーツから
J1初陣の横浜FCが、FW久保竜彦(30)のスーパーゴールでJ1王者浦和を苦しめた。1点をリードされた前半44分に、32メートルの距離から豪快な左足シュートを突き刺した。終了間際にFW永井雄一郎(28)に決勝点を奪われ1-2で敗れたが、久保の1発と成果を見せた守備重視の戦術で、J1を戦い抜くための手応えをつかんだ。
痛快だった。静まりかえる真っ赤なスタジアムの真ん中で、久保が人を食ったような「クボダンス」でイレブンを手招きした。前半44分、ゴールに背を向けMF薮田のパスを受けると、反転しながら左足をひと振り。ボールは一直線に浦和ゴールへ飛び、日本代表GK山岸の手の先を抜けてゴール右上に突き刺さった。
「時間がなかったから、シュートで終わろうと思って」と淡々と話す久保。だが珍しく子どものようにおどけたパフォーマンスは、うっぷん晴らしのようにも見えた。期待されながら結果が出ない毎日。高木監督には「お前の好きなようにやれ」と言われて調整法も任された。だからこそ焦った。「体が動かない」と居残り練習までした。
結果が出たのは2月27日の神奈川大との練習試合。戻った笑顔で「調子、上がってきた」とゴールを喜んでいたのが、この日の驚がく弾につながった。「あり得ないシュート」とMF鄭が驚き「びっくりしましたね」とMF奥も言ったが、信じ続けた高木監督は「何かやってくれるとは思っていた」と振り返った。
エースの1発でチームのムードは一変。序盤は相手を恐れてか浮足立つ場面もあったが、後半に入ると王者を押し込むシーンもあった。J1の攻撃を食い止める守備的システムは、最前線に規格外のストライカーがいてこそ成り立つ。1発で流れを変え、ゴールまで奪える怪物がいれば、攻撃面もJ1で通じる。
「負けたのは悔しいけれど、次につながるゲームはできた」と高木監督。エースの開幕弾でJ1で戦う自信を手にした。次節は横浜ダービー。古巣相手にドラゴンが再噴火すれば…。次こそJ1初白星をもぎ取る。
※所属、年齢などは当時のもの



