サンフレッチェ広島の元日本代表MF森島司(26)が、オファーを受けていた名古屋グランパスへの完全移籍を決断したことが3日、分かった。
背番号10を担うエース選手のシーズン中のライバルクラブへの移籍は異例中の異例で、広島にとっては衝撃的な流失になる。
関係者によると、同選手はこの日午前、広島へ最終結論として移籍することを伝えたもようだ。交渉の細部が残っており、近く正式発表の見通し。
森島と広島は2年半の長期契約を残すため、名古屋は広島に移籍金の満額となる推定2億円を支払う見込みで、今夏のJリーグ日本人選手で一番の大型移籍となる。
関係者によると、森島は四日市中央工を卒業してクラブ一筋在籍8年目の広島への愛着はあったが、三重・鈴鹿市生まれで、中学時代は名古屋ジュニアユース(U-15)に在籍。故郷に近く、出身クラブでもある名古屋を強く意識してきたもようだ。
名古屋は今夏、ブラジル人で背番号10のFWマテウス・カストロ(28)が、サウジアラビアのアル・タアーウンFCへ完全移籍することになり、広島から同じ背番号10の日本人エースを緊急獲得したことになる。
7月29日に広島市内で開催された広島のファン感謝イベントでは、多くのサポーターが森島に対し、残留を求める声を届け、横断幕まで用意された。広島もエースに対し、必要な戦力として慰留に努めてきたが、Jリーグで上位を争うクラブ同士で異例の移籍劇となった。
今季ここまで20試合2得点の森島は、Jリーグ屈指のアタッカーで攻守に強度の高いプレーをする。J1通算153試合19得点の実績があり、スキッベ監督が目指すアグレッシブなサッカーの申し子だった。広島はC大阪からFW加藤陸次樹(むつき、25)を今夏に完全移籍で獲得したばかりだが、痛恨のエース流失になった。
◆森島司(もりしま・つかさ)1997年(平9)4月25日、三重・鈴鹿市生まれ。名古屋ジュニアユース(U-15)から四日市中央工に進み、16年広島入り。広島では高校の先輩FW浅野拓磨が付けた背番号29を担い、2年目から出場機会をつかむ。20年から背番号10をつけ、今季が入団8年目。J1通算153試合19得点。日本代表は19年12月10日のE-1東アジア選手権中国戦でデビューし、国際Aマッチ通算4試合無得点。ドリブルや正確プレースキックを駆使し、抜群の攻撃センスを持つ。175センチ、67キロ。



