Jリーグ理事会が26日、都内で行われ、JFLに所属するクリアソン新宿のJ3クラブライセンス申請が承認された。東京23区に本拠地を置くクラブとして初めてJリーグクラブライセンスが交付された。

クリアソン新宿がJ3クラブライセンスを取得する上で、ネックになっていたのがホームスタジアムの問題だった。

23区内でJリーグが開催実績があるスタジアムは、国立競技場(国立)、味の素フィールド西が丘(西が丘)、駒沢オリンピック公園総合運動陸上競技場(駒沢)、夢の島競技場(夢の島)の4カ所。ホームスタジアムを持たないクリアソン新宿にとっては、Jリーグ参入を目指す上で最もハードルが高かったが、「特例」で、認められた。

丸山和大代表は、スタジアム問題について「キレイにクリアできた状況ではありません」としながら、「J3ライセンスの基準を満たしたスタジアムをしっかりJ3に上がったときに、一定水準利用させていただけるめどが、いろんな方々のご協力のもとに実現できるというところと、今回のJリーグのライセンス発表にも出ていましたが、23区への期待を込めてチャレンジさせていただける」と説明した。

J3に昇格した場合のホームスタジアム利用については国立と西が丘の併用でホームゲームの8割を開催する予定だという。残りの2割については、夢の島や駒沢などを含めて調整していく。J3昇格の際の国立でのホームゲーム開催予定については「複数回」と回答した。

J3に昇格するためには、現在JFL4位のクリアソン新宿は、最終順位で2位以内に入る必要がある。さらに、JFLのホームゲームで1試合平均入場者数が2000人に到達することを目指して努力していると認められること、そして短期的に資金難に陥る可能性が極めて低いとJリーグが評価できる状態にあることが必要になる。

 

◆クリアソン新宿 クリアソン(Criacao)はポルトガル語で「創造」の意味。新宿区サッカー協会代表チームで、ホームタウンは新宿区。「サッカーを通じて、世の中に感動を創造し続ける存在でありたい」という思いのもと「社会に豊かさをもたらすこと」「世界NO・1クラブとなること」を目指して活動。05年に「クリアソン」として誕生。09年に東京都社会人リーグに加盟。18年、活動拠点の新宿区と今後も歩みを進める決意で、チーム名を「クリアソン新宿」に改名。同年度関東社会人大会を優勝し、関東リーグへ昇格。19年は関東リーグ2部1年目でリーグ優勝と1部昇格を果たし、21年に関東リーグ1部で優勝、JFL昇格を決めた。JFL初年度の22年は15位でシーズンを終えた。元Jリーガーは黄誠秀、岡本達也、大崎淳矢、上田康太らがいる。