昌平(埼玉)を救ったのは途中出場の1年生だった。0-1と米子北(鳥取)を追う後半31分から途中出場したMF長璃喜(おさ・りゅうき)が、ロスタイム4分に同点弾。166センチと小柄ながら右サイドからのクロスにタイミング良く頭で合わせ、土壇場で試合を振り出しに戻した。PK戦の末に逆転勝利を収め「勝てたことが良かった。うれしいです」と破顔した。

10番を背負う長男の準喜(3年)を追いかけるように進学。尊敬するMF本間至恩(クラブ・ブリュージュ)を参考にする細やかなタッチのドリブルが持ち味だ。1年ながら信頼が厚く重用され、初の選手権でも勝負強さを発揮。1回戦に続く2戦連弾で応えた。自身の活躍よりもチームが勝つことを優先し「3年生たちとの最後の選手権。次もチームの役に立ちたい」と大人びていた。【平山連】