前回4強の神村学園(鹿児島)は近江(滋賀)に3-4で逆転負けを喫した。J2仙台入りする主将のFW西丸道人(3年)、U-17日本代表DF吉永夢希(3年)とMF名和田我空(2年)の“超高校級”トリオによる3発競演だったが、空砲に終わった。

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大会屈指のタレント軍団が、2大会連続4強入りを逃した。特に後半は、相手のパスサッカーに対応できず、まさかの逆転負け。終了の瞬間、選手は精根尽き果ててピッチに倒れ込んだ。FW西丸主将は「特に3人(西丸、吉永、名和田)がもっとゴールや守備にからみ、チームを助けないといけなかった。特に夢希(吉永)との引っ張りが足りなかった」と反省した。

高校年代最高峰のリーグ「高円宮杯U18プレミアリーグWEST」で戦う実力を示すはずだった。だが、不意を突かれた相手のロングシュートで先制された。

それでも、九州の雄は臆することはない。同18分、FW西丸主将が右クロスを頭で合わせて、大会初ゴールで同点とした。

同21分、左サイドのオーバーラップから、ロングボールで裏に抜けたベルギー1部リーグ、ゲンクへ加入するU-17日本代表DF吉永が切れ込んで、角度のない位置から打ったシュートが勝ち越し点となった。後半13分に追いつかれたが、同15分、U-17日本代表MF名和田の3戦連発となる直接FKで勝ち越した。

超高校級トリオの3発競演だった。だが、後半ロスタイム3分に決勝点を奪われるなど2連続失点。逆転された後半について、有村圭一郎監督(46)は「ギアを上げるドリブルにうまく対応できず苦しかった。ミスマッチが生まれ相手ペースになったので、システムを変えたが、サイドを簡単に突破されてクロスを上げられ、カバーしきれなかった」と悔やんだ。

注目された吉永、西丸、名和田については「自分の積み上げが足りなかったと、伝えようと思います。そう捉えないと成長はない。マークされながらやれる選手になってもらいたい」と辛口エールを送った。

新チームは、悔しさをバネにはい上がるしかない。【菊川光一】

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