パリオリンピック(五輪)世代の鹿島アントラーズMF松村優太(22)が26日、キャンプ地の宮崎で取材に応じ、自身がチームを引っ張る強い決意を表明した。

静岡学園高から加入し、プロ5年目。チームの中でもプロ経験は中堅に入ろうとしている。今季に向け「批判や慢心ではないですよ」と前置きした上で「自分が引っ張ろう、自分が(試合に)出るべきだと思っている。自分がやるべきだ、出るべきだ、引っ張るべきだと思っている」と、心に秘めてきた思いを言葉にした。

昨季までは「若手が突き上げる」とやってきたが、チームは国内タイトルを7季連続で逃している現実もあった。「自分が4年間、やってきて、タイトルが取れていないのは自分にも(責任が)ある。そこに導けていない状況も自分自身。若手とか成長も大事だけど、鹿島のためにいかにシーズンを通して貢献できるか。1つのピースにならないといけない」。MF柴崎岳、DF植田直通、FW鈴木優磨ら海外で実績を残し、チームの主軸である先輩の名を挙げ「自分もその中の一員にならないと。なろうと。そう思った」と明かした。

プロ5年目で、今回のポポビッチ監督が5人目の監督となる。レネ氏の戦術は、自身の強みを全面に出したが、他の指揮官のもとで課題に向き合い成長できた字分がある。ザーゴ氏からは技術面を、相馬直樹氏からは課題の守備面を、岩政大樹前監督からは「ゴールに関わること」を学んだ。

「1つ1ついろんな監督から吸収して成長できた実感もある。だからこそ今、苦手な部類を自分のものにして成長できる実感がある」。昨季は終盤に試合に絡み、U-22日本代表でも結果を残し「自信につながった」と手応えを口にする。

ポポビッチ監督からは「裏に抜けること」を求められており、松村のスピードの特長が生かせる。松村自身も「そこはプラスな要素。柴崎選手は前に出せるので、より裏抜けの回数が増えてくるかなと思います」と話す。

4月にはパリ五輪のアジア最終予選を兼ねるU-23アジアカップ(アジア杯)が控える。松村は「厳しいグループに入ったのでそこに勝たないと本戦は始まらない。そこを勝ち抜くためにも鹿島で何が出来るかが大事な1年」。責任感を増した松村が、鹿島で頼もしい存在になりそうだ。【岩田千代巳】