ファビオ・カリーレ前監督(50)の二重契約締結問題に揺れたV・ファーレン長崎が延長戦を制して、公式戦初勝利を奪った。

3-3で延長戦に突入。延長後半13分、2年目のMFマテウス・ジェズス(26)が、ペナルティーエリア中央から値千金の勝ち越しゴールを決めた。

リーグ戦の反省を踏まえ、序盤から攻撃に迫力はあった。だが、前半2分に先制するなど2度のリードを守れなかった。それでも、土壇場の後半ロスタイム1分、PKを決めて追いついた。

二重契約騒動において、カリーレ監督がブラジル・サントスFCとも契約したことで、長崎は前代未聞の「指揮官不在」で始動。下平隆宏新ヘッドコーチ(HC、52)が暫定指揮を執っていたが、2月15日、同HCが新監督に昇格した。

前代未聞の騒動の中での就任にあたり、クラブを通じて「クラブの緊急事態にもかかわらず強化部を始め、クラブスタッフ、選手たちがこの状況を必死で乗り越えようと準備を進めております」とコメントしていた。同時に、カリーレ監督やスタッフとの契約終了および、国際サッカー連盟(FIFA)へ、契約破棄に伴う違約金等の請求に関して、提訴が完了したことも報告された。

今秋に新スタジアムが開業するメモリアルイヤーにあって、勝負の今季だった。だが、リーグ戦は2戦未勝利の15位と開幕ダッシュに失敗していた。