苦しみながらも貴重な勝ち点「1」を積み上げた。ベガルタ仙台がアウェーでブラウブリッツ秋田との「東北ダービー」に臨み、0-0のスコアレスドロー。寒風が吹くコンディションの中、GK林彰洋(36)を中心とした守備で無得点に抑え、リーグ戦は2勝2分けの暫定4位。古巣戦となったDF高田椋汰(23)がフル出場、勝ち点「1」獲得に貢献した。

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ホーム開幕戦を迎えた秋田・ソユースタジアム。この日は晴天も気温は9度。ピッチには冷たい風が吹き続けた。前半、仙台は風下を選択。森山佳郎監督(56)は「失点してもおかしくないような場面が何度もあった」が、ロングボールを多用した秋田の攻撃やセットプレーに負けず、守備陣が集中してボールをはね返し、シュートは林が好セーブ。我慢の時間を耐え抜いた。

だが、風上で優位なはずの後半は攻撃のリズムを作れず。シュートは秋田6本に対してわずか1本。開幕2戦は体力が消耗した試合終盤に失点したが、この日は人数をかけた攻撃に屈することなく、2戦連続で無失点に抑えた。「最後まで体を張って(失点)0に抑えたのは成果。勝ち点1をこの苦しい戦いで持って帰られることは、次のホームの連戦があるので最悪ではない」と指揮官。一丸で戦い抜いたイレブンに対し、試合後はサポーターから大きな拍手が送られた。

かつてのホームで持ち味を見せた。昨季、秋田で40試合に出場した高田は「結果を残してやろうと思っていたが、残せなかったのは悔しい。自分なりのパフォーマンスは出せたと思うので良かった」。前半は右サイドを駆け上がり、相手のハンドを誘ってチャンスメーク。後半も簡単に対人でプレーさせず、攻守に奮闘した。

仙台は22年のJ2初対戦から秋田にはこれで5戦負けなし(2勝3分け)。相手に初勝利を許さず、次節20日熊本戦からホーム2連戦を迎える。高田は「アウェーで勝ち点1を取れたことをプラスに考え、ホーム2連戦で勝ち点6を取りたい」と意気込んだ。ホーム連勝を目指し、しっかりと準備する。【相沢孔志】

 

秋田 J3時代の19年からホーム開幕戦は5年連続負けなしで、4連勝中だったが引き分けた。シュートは仙台を上回る9本を放つも堅守に阻まれた。吉田謙監督(54)は「全ては練習あるのみ。武器を磨き続ける」と前を向いた。次節は20日のホーム栃木戦。だが昨年5月以来、ホームは未勝利。指揮官は「この1戦に懸ける思い。その懸ける責任を感じながら、皆さんの応援を力に変えて戦いたい」と言い切った。