モンテディオ山形が甲府に0-1で敗れ、ルヴァン杯を含め、3連敗を喫した。0-0で迎えた後半15分、甲府FWピーター・ウタカ(40)の1発が試合を決めた。

連敗はしたが、誰ひとり下を向いていなかった。1万1932人の観客が見守る中、後半15分、ついにスコアが動いた。センターサークル付近からの縦パスに交代直後の甲府FWピーター・ウタカ(40)が反応。DF熊本雄太(28)とGK後藤雅明(29)が対応するも、4試合連続の先制点を献上した。試合に敗れたイレブンにサポーターからは厳しい声が…。「優勝するチームは連敗なんかしないぞ!」。熱い思いとチームを鼓舞する声に渡辺晋監督(50)は「優勝するつもりで準備をしてきたが、これが現状。この結果を招いたのは自分たちなので取り返すしかない」と前を向いた。

「俺たちを見返してくれ!」。サポーターからは期待を込めたメッセージが送られたが、渡辺監督の思いは少し違っていた。「見返すのは結果のみ。我々はサポーターを見返すつもりで戦っているわけではない。彼ら(サポーター)はともに戦う仲間の一員」と語り、「我々を信じてともに戦ってほしい」と共闘を呼びかけた。これまで、喜びも悔しさも分かち合ってきたサポーターの存在は、間違いなく山形の武器のひとつだ。指揮官も絶大な信頼を寄せる“12人目の選手″とともに「J2優勝」を目指す。

次節は20日、ホームに藤枝を迎え撃つ。渡辺監督は「今度は必ずサポーターとともに戦い、一緒に勝利の喜びを分かち合いたい」と意気込んだ。昨季は開幕2連勝後に8連敗。悲劇は2度と繰り返さないと誓った山形。サポーターとともにホーム初勝利をつかみ、頂に向けて「ゼンシン」する。【木村有優】