川崎フロンターレU-12(神奈川)が、11年以来、12大会ぶり4度目の優勝を飾った。決勝で鹿島アントラーズつくばジュニア(茨城)と対戦。延長終了間際に上口大遙(たいよう=5年)が決勝ゴールを挙げ、2-1で大会を制した。川崎フロンターレと鹿島アントラーズつくば、3位のレジスタFC(埼玉)は、全国の強豪16チームによる決勝大会「JA全農チビリンピック2024」(5月3~5日、神奈川・日産スタジアムほか)の出場権を獲得した。

試合終了のホイッスルが鳴り響くと、上口はピッチにひざまずいて大粒の涙を流した。「最後に自分のゴールで優勝できて、うれしかったです」。第2ピリオド(P)に追いつかれ、延長戦までもつれ込む大接戦。PK戦突入の気配が漂う残り1分、上口はゴール前中央の混戦からボールを奪って守備網を抜け出し、ゴール右隅に蹴り込んだ。11年大会以来となる春の関東王座と、19年以来4大会ぶりの全国大会出場を決める一撃だった。

今大会、川崎Fは予選リーグ3試合で14得点を挙げて全勝突破。それでも選手全員が「試合内容が悪い」と納得していなかった。しっかりボールを運び出してフィニッシュまで決める。大会中にミーティングを重ね、自分たちの目指すサッカーを確認し合った。準々決勝は7ゴール無失点で大勝し、準決勝では23年全国優勝のレジスタFCを完封。トップチームをほうふつさせる攻守に連動したプレーで勝利を重ねた。

大田和直哉監督は「普段は感情を表に出さない子も、涙を流すほど必死に戦って結果を出してくれた。全国の舞台でも良い経験を積み重ねたい」と選手たちの成長ぶりに目を細めた。

ベスト8以降の結果は以下の通り。

▽準々決勝

レジスタFC(埼玉1位)2-0横河武蔵野フットボールクラブU-12(東京1位)

川崎フロンターレU-12(神奈川1位)7-0東松山ペレーニアフットボールクラブジュニア(埼玉2位)

横浜F・マリノスプライマリー(神奈川2位)1-0ヴェルフェ矢板U-12(栃木1位)

鹿島アントラーズつくばジュニア(茨城1位)0-0(PK3-2)柏レイソルU-12(千葉1位)

<主催>日刊スポーツ新聞社<主管>関東サッカー協会、栃木県サッカー協会、関東サッカー協会第4種委員会、栃木県サッカー協会第4種委員会、栃木県少年サッカー連盟<後援>日本サッカー協会、佐野市、佐野市サッカー協会<特別協賛>全国農業協同組合連合会(JA全農)