藤枝は2-1で熊本を下し、今季ホーム初勝利を挙げた。今季初出場のMF大曽根広汰(24)が決勝点。今季初先発のDF小笠原佳祐(27)も2アシストを記録するなど、ここまで出場機会に恵まれなかった選手たちが躍動。連勝も今季初となった。清水は1ー0で秋田を下し3連勝。沼津は2ー1で琉球を下した。

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出場機会に飢えた男たちが、藤枝に今季ホーム初白星をもたらした。1-1の後半29分、カウンターを発動。一気に熊本ゴールに襲いかかると、最後はDF小笠原が胸で落としたボールをMF大曽根が右足で決めた。「狙い通りだった」。ベンチ前で歓喜の輪が広がる。今季初得点は、貴重な決勝点となった。

大曽根は、2月の鹿児島キャンプ中に右肩を負傷した。「体も動いていた」中での離脱。開幕後は、悔しい思いを胸にスタンドでイメージを膨らませてきた。後半11分からの途中出場で迎えた“今季初戦”。1本目のシュートで結果を射止め、「やっぱり勝利に貢献することが一番だし、ホームで勝つことが一番」と満面の笑みを浮かべた。

決勝点をお膳立てした小笠原は、前半10分にも絶妙なスルーパスでFW中川風希(28)の先制点を演出。DF鈴木翔太(27)ら主力の相次ぐ負傷で巡ってきた今季初スタメン起用に、2アシストで1発回答した。“控え組”の活躍で接戦に勝利。須藤大輔監督(46)は「総合力も上がってきている」とうなずいた。

30日の次節はアウェーで昇格組の愛媛と対戦。大曽根は「自分にとっては今日が開幕。ここから監督に求められていることプラス、結果を残していきたい」。小笠原も「次がある。また良い準備をしたい」と言った。開幕からクラブワーストの4戦未勝利(1分け3敗)とつまずいたが、これで2連勝。新たな戦力も躍動を始めた藤枝が、さらなる逆襲に出る。【前田和哉】