サガン鳥栖U-12(佐賀)が3年ぶりの九州王者に返り咲き、5度目のJA全農杯制覇を果たした。決勝で別府フットボールクラブ.ミネルバU-12(大分)と対戦。後半15分、児玉啓明(5年)がゴールを決め、1-0で接戦を制した。サガン鳥栖と別府FCミネルバは、全国の強豪16チームによる決勝大会「JA全農チビリンピック2024」(5月3~5日、神奈川・日産スタジアムほか)の出場権を獲得した。

エースであり、キャプテンとしてのプライドが体を突き動かした。後半15分。サガン鳥栖の児玉は「ここで絶対に点を取る」とゴール前に駆け込んだ。左サイドからの味方のパスを足元に収めると、相手DFに激しく体を寄せられても動じない。雨でぬかるむピッチ上で、左右へ水しぶきを上げながら鋭く切り返して右足を一閃(いっせん)。ゴール右隅へ、チームを3年ぶりの王座奪還に導く決勝点をたたき込んだ。

今大会限定で、田中隆晴(5年)との“ダブルキャプテン”を務めた児玉。「プレーでチームを引っ張る主将」という役割を、全4試合の計5ゴールという結果で示した。「優勝できてうれしい。全国大会では、今回のゴール数を超える6ゴールを個人で決めたい」。仲間から寄せられる厚い信頼が力となり、自信につながった。

エースに引っ張られるように得点を重ね、今大会わずか1失点と攻守で圧倒したサガン鳥栖。3年ぶりに九州予選で優勝し、春の全国切符を手にした。荒木亮次監督は「12歳以下の年代で全国大会を経験することは、将来的に大きなプラス。選手たちもよく分かってくれているので、試合内容よりも“思い”が実った大会でした」と目を細めた。

チビリンピックでは15年に3位、17年に準優勝とまだタイトルを手にしていない。荒木監督は「常にサガン鳥栖、そして九州王者のプライドを持って戦いたい」と決意を新たに、次なるステージに挑むつもりだ。

ベスト4以降の結果は以下の通り。

▽準決勝

別府フットボールクラブ.ミネルバU-12(大分1位)3-1とみしろ南JFC(沖縄2位)

サガン鳥栖U-12(佐賀1位)3-1大分トリニータU-12(大分2位)

▽決勝

サガン鳥栖U-121-0別府フットボールクラブ.ミネルバ

<副賞>

 宮崎牛カレー、宮崎ブランドポークカレー、日向夏グミ(宮崎経済連)

 鹿児島県産紅甘夏、あきほなみパックごはん、ジューシーたんかんミックス(鹿児島経済連)

 福岡県産あまおう苺グミ、めし丸元気つくしパックごはん、100%みかんジュース(JA全農ふくれん)

 さがびより、ジュース「みかんのきもち」、SAGA VegeSoup(野菜スープ)(佐賀県農協)

 デコポン、びわゼリー、ストレートみかんジュース(JA全農ながさき)

 森のくまさんパックライス、熊本彩果(県産果実ゼリー)、森のくまさんペットボトル茶(熊本経済連)

 おおいた和牛モモまたはウデ一口焼肉用、ドライフルーツサンクイーン、完熟カボスグミ、つぶらなカボス(JA全農おおいた)

 蒟蒻ゼリー(シークワーサー、タンカン、パインアップル)(沖縄県農協)

 インスタントごはん、ミルクティー(JA全農)

<主催>日刊スポーツ新聞社、九州サッカー協会<後援>日本サッカー協会<主管>九州サッカー協会第4種委員会、宮崎県サッカー協会、宮崎県少年サッカー連盟<特別協賛>全国農業協同組合連合会(JA全農)<協賛>佐賀県農業協同組合、熊本県経済農業協同組合連合会、宮崎県経済農業協同組合連合会、鹿児島県経済農業協同組合連合会、沖縄県農業協同組合