北海道コンサドーレ札幌は26日、J3のYS横浜からGK児玉潤(26)の完全移籍での加入を発表した。チームに合流した児玉は、2日前の24日にJ3鳥取戦にフル出場していたため、札幌・宮の沢で別メニューで調整。「ここからが勝負ですし、ここに来た意味をちゃんと理解してチームの力になるために日々自分の出せる力を120%出して、自分自身成長して、チームの順位をここから上げていけるように頑張るだけ」と気合十分だ。

足元の技術にたけるレフティー。身長は175センチと小柄だが「クロスボールもシュートストップも戦えると思っている」と俊敏性にも自信を持つ。以前から札幌のサッカーに魅力を感じており、「迷いはなかった。ずっとコンサに行きたいと思っていた。オファーを受けて驚きの方が大きかったけど、チャレンジしたい気持ちだった」と、22日に正式オファーを受けて翌23日夜には移籍が決定。24日に試合に出場して前日25日に札幌へ移動と、とんとん拍子で進んだ。

東京ヴェルディユース出身。トップチーム昇格を目指すも、かなわず桐蔭横浜大に進学。2学年後輩で現川崎フロンターレのGK早坂勇希(24)とのレギュラー争いに敗れて4年時はリーグ戦出場なし。Jクラブからのオファーはなく、20年にJFL東京武蔵野シティに入団し、21年には6部に相当する広島県リーグ1部福山シティに移籍。23年からJ3YS横浜でプレーしていた。「県リーグで6部くらいでプレーして、はい上がってやるって気持ちで毎日やっていた」と、J1初挑戦に思いもひとしお。

YS横浜では昨季37試合に出場し、今季も開幕から全6試合フル出場。チームは3分け3敗で勝利なしで、守護神として「厳しい状況の中、監督にチャレンジさせてくださいと自分から伝えて背中を押してくれた。YSCCの思いを背負って戦うことは自分にとって責任。全うしたい」と、覚悟を持って決断した。

ユースの先輩でもあるGK菅野孝憲(39)はずっとあこがれの存在で「学べるところは全て吸収して、自分の成長につなげたい」と、チームメートとなり喜ぶ。開幕前日に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂したGK高木駿(34)、この日全体練習に合流したが右手薬指負傷で離脱していた菅野と、ケガ人が続いたGK陣に、新たなピースが加わった。