川崎フロンターレ鬼木達監督(49)が、30日のホームFC東京戦に向けて原点回帰を強調した。

28日、オンラインで取材対応。リーグ戦3連敗中の15位に沈む中、東京との伝統の一戦「多摩川クラシコ」を迎える。代表ウイークで2週間空いたことでさまざまな思いを整理することができたとし、「(17日に1-2で敗れた)鹿島戦を経て、改めて自分たちの目指すものを0からスタートして、しっかりと攻守において構築していく期間になった」とうなずいた。

鹿島戦の反省として「いろいろな圧力に屈してしまってはいけない」と話し、「そういう相手に自分たちから怖がらずボールを受けて動かして、とやってきた。そこをもう1回やらないといけない。全員で覚悟を決めてやっていく。そこが自分の中で立ち返る場所」と力を込めた。

高い技術で圧倒する「フロンターレらしさ」に立ち返る。選手の入れ替わりが激しかった今季、新加入選手の良さを引き出すために、パスやトラップ、判断の部分で要求する質が下がっていたという。「クラブの哲学を常にもっともっとこだわって持ち続けていくことが重要。誇りに思って、進んできたチーム。自分の目のところをもっともっと要求高くすることで一番上の選手も上がっていく。人を伸ばすことが最終的にチームを伸ばす」。17~21年の5年間でリーグ優勝4度を成し遂げたチームの伝統を見つめ直し、浮上のきっかけとする。【佐藤成】