セレッソ大阪は30日の湘南ベルマーレ戦(ヨドコウ)で、昨年9月以来の3連勝を狙う。

腰痛などコンディション不良でMF香川真司(35)が欠場となるため、札幌から新加入の元日本代表MF田中駿汰(26)は「自分がしっかり、攻守の起点となりたい」と、大黒柱となることを誓う。

香川がJ1のC大阪で主力となった10年、23、24年の計3年間で、リーグ戦の欠場は過去1度もない。

初めて訪れる精神的支柱の不在について、27日の練習後、田中は「真司さんの代わりがいるわけがないので、違う色を出してやっていかないといけない。出る選手の持ち味を出せるように、後ろからバランスを見ながら支えたい」と、闘志を燃やした。

アンカーを担う田中は開幕から全4試合で、インサイドハーフの香川とMF奥埜の背後に立ち、攻守のつなぎ役になってきた。

湘南戦は香川の代役に、新加入のブラジル人FWブエノが初先発の見込みで、背番号10は「自分とオックン(奥埜)がいるので、そこまでバランスが崩れることはない。自分たちが指示を出せば問題ない」と、連係面の自信も崩さない。

田中はFC東京との開幕戦で、いきなり移籍初ゴールを決めるなど派手な攻撃力を持つ一方、守備では潤滑油のように地味ながら多くの局面に顔を出し、現在3試合連続で総走行距離はチームトップを続ける。“桜のブスケツ”の存在感は増すばかりだ。

小菊昭雄監督(48)は田中について「攻守の心臓としてやりながら、スルーパスなどの攻撃参加も大きな武器。引き続きやっていってくれたら、次の代表も狙える選手だと思う」と、厚い信頼を寄せた。19年12月のE-1東アジア選手権が最初で最後の日本代表選出となっており、C大阪での活躍次第で日の丸復帰も見えてくる。

開幕2勝2分けのC大阪が今節勝てば、首位町田、2位広島の結果次第で首位に浮上できる。香川が不在だからこそ、新たなセレッソの可能性を示す試合になるかもしれない。