16年ぶりのJ1勝利を目指す東京ヴェルディにあって、FW木村勇大(23)はチームとともに、昨夏から続く自身の不名誉な記録に終止符を打つと意気込んでいる。

木村は今季、京都サンガFCから期限付き移籍している身だが、昨シーズンも京都から8月にツエーゲン金沢にレンタル移籍。しかし8月16日に加入が発表され、直後の同26日の徳島ヴォルティス戦から出場しているが、シーズン最終戦の第42節ファジアーノ岡山戦まで12試合未勝利(3分け9敗、自身の出場は10試合=1得点)に終わっている。

つまり今季開幕からの5試合(3分け2敗)も含めると、木村は在籍するチームで公式戦17試合連続未勝利という状況に陥っている。

東京Vでは開幕から2トップの一角としてレギュラーに定着。前節の京都戦(2-2)は契約上、出場することはできなかったが、今季4試合で2得点とチームには欠かせない存在となっている。その木村は1日の練習後、3日の湘南ベルマーレ戦(レモンガススタジアム平塚)に向けて、こう宣言した。

「(昨年の)夏に金沢に行ってから勝っていない。とんでもない記録を作っちゃっている。(勝てば)ホッとすると思います。ここで1勝を挙げないと(チームは)ここから厳しいと思いますし、勝つというのが1番のこれからの自信になる。水曜日のアウェーですけど勝ちたい」

京都戦は外から試合を見たことで、チームの反省点がよく見えたという。激しく前からプレッシャーにくる相手に対し、後ろ向きのパスが増えた。前線で時間がつくれず、はね返されてはセカンドボールを回収された。

その結果、前半に2失点した。後半に相手の足が止まったことに加え、城福監督の選手起用が当たり、終盤に一気に盛り返してFW染野の2点でドローに持ちこんだ。

3日に対戦する湘南ベルマーレが京都と似ているということも踏まえ、木村は「前半どっちつかずの展開の時に、自分が前で収めたらり、運んだりというのがあれば、チームはもっと前に圧力をもっていける。前半からもっと攻撃的なサッカーを繰り広げられる」と、自身のプレーが勝敗を左右するとみている。

185センチ、82キロという立派な体格を誇る。食べ物は何でも好きで「ついつい食べ過ぎてしまう」のが悪い癖。シーズン前に体重が大幅に増えたことで、奈良輪雄太コーチのマンツーマン指導のもとで体重管理に努めている。「ある程度のところで(体重は)キープできている。そんなところの話になるのがプロとしておかしいですが」と苦笑い。

ちなみに木村が出場して勝利した直近の試合となると、京都在籍の昨年3月12日、アウェー湘南戦(2-0、後半41分から出場)までさかのぼる。388日(1年22日)ぶりに“勝利の味”を噛みしめることはできるのか。「試合に勝ったら食います!」。大食漢ストライカーが、活きの良い湘南を丸のみに掛かる。【佐藤隆志】