横浜F・マリノスがガンバ大阪を2-0で下し、今季初の連勝となった。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に勝ち上がっているため未消化分の1試合が行われ、FWアンデルソン・ロペスとFW植中朝日の得点で4位に浮上した。19日間で6試合という超過密日程にもたくましく、J1とACLの二兎(にと)を追う。

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「鉄人」A・ロペスが後半8分、左足で均衡を破った。MF山根のパスを受けると巧みに相手選手を外し、今季リーグ5点目に「いいクロスを受け、いいフィニッシュになった」。

シュート数は横浜の11本に対し、G大阪は21本と圧倒した。数少ないチャンスをものにし、スコアの上では2-0と「完勝」。決定力の差は歴然だった。

横浜は超過密日程の真っただ中。3月30日の名古屋戦を皮切りに中3日、中2日のペースで17日のACL準決勝・蔚山(韓国)戦まで6試合続く。そんな中ACL含めて全11試合連続で先発。しかもJ1は全7試合にフル出場、通算時間は1007分だ。キューウェル監督は「フィジカルの違いを見せてくれた。サポーターのために常に出たいという思いが強いし、俺に任せろという思いも強い。試合に使わないと怒る」と冗談めかしながらも、全幅の信頼を寄せる。

指揮官の言葉を聞いたエースは「出してくれなければ怒るかもね」と言って笑った。プロとしてコンディション調整には細心の注意を払う。「栄養のあるものを食べて、よく寝ている。今週も監督とも話したけど、コンディションが上がっていると言われた。まったく問題ない」。メディカルチームのサポートもあり、エースは元気いっぱい、ピッチで暴れている。

アジアの頂点を狙う上で不可欠なナンバー10は「次も出るよ」。この男はもう誰にも止められない。【佐藤隆志】