川崎Fに所属する元日本代表FW我那覇和樹選手(27)が、昨年4月に体調不良のために受けた静脈内注入(点滴)をドーピング禁止規定違反とされ、Jリーグから処分を受けたことを不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した問題で、CASは27日、点滴を「正当な医療」と認め、Jリーグの判断を全面的に覆す裁定を下した。CASは1審制で裁定は最終決定となる。

 Jリーグが準拠する世界反ドーピング機関(WADA)の昨年の規定では、禁止薬物の有無に関係なく「静脈内注入は正当な医療行為を除き禁止」と定めている。CASは「我那覇の受けた点滴は、昨年のWADAの規定内では正当な医療」と認めた。

 CASは4月30日から2日間、東京都内で非公開の聴聞会を開催。3人の仲裁人が慎重に審議を重ねていた。