来季のJ2降格が決まっている大分は11日、今季の運営費不足のため、Jリーグの公式試合安定開催基金からの融資を申請すると発表した。J1クラブが同基金の融資を求めるのは初めてで、申請額は公表されなかったが、2億円とみられる。

 慢性的な資金難に加え、今季のスポンサー収入と入場料収入が当初の見込みより大幅に減ったことが要因。大分市内で記者会見した大分の溝畑宏社長は「資金繰りが厳しい状況。自力での(資金)調達に至らなかった」と話した。12日以降に手続きする予定で、17日のJリーグ理事会で承認されれば融資が決まる。

 公式試合安定開催基金はクラブが資金難で公式戦の運営に支障を来すことを防ぐために創設され、過去にはJ2の草津と岐阜が融資を受けた。

 ◆公式試合安定開催基金

 Jリーグのクラブの財政難により、公式試合の運営に支障を来す事態の発生を未然に防ぐための基金。交付にはリーグの経営諮問委員会に諮り、理事会の承認を得る必要がある。2005年制定。過去にJ2の草津や岐阜が融資を受けている。期限までに返済できない場合、J1クラブはJ2に降格し、J2クラブはJ1に昇格できない。