5大会連続W杯出場で盛り上がるサッカー界に、衝撃が走った。日本サッカー協会の実務責任者・田中道博専務理事(55)のセクシュアルハラスメント(セクハラ)疑惑が5日、発覚した。日本体育協会の理事も務める同氏が、体協の若い女性職員にセクハラした可能性が浮上。体協から日本サッカー協会に理事の交代が要請され、今月中に田中氏は体協理事を退任する。不祥事続きの全柔連に続き、サッカー界も大きなスキャンダルに見舞われた。

 ◆日本体育協会

 日本のアマチュアスポーツを統括する団体で、1912年ストックホルム五輪への参加を契機に、1911年(明44)7月に大日本体育協会として創立。初代会長は嘉納治五郎。12年6月現在で58の競技団体が加盟している。五輪参加だけでなく「国民スポーツの振興」と「国際競技力の向上」も役割とし、スポーツ指導者の育成、国際スポーツ交流、スポーツ医・科学の研究なども実施している。<体協加盟団体のセクハラ事件>

 ◆全日本柔道連盟

 現職理事が、11年12月に東京都柔道連盟職員にわいせつ行為をしたことが5月に明らかに。同連盟が設置した特別調査チームは5月31日、同28日に辞表を提出して辞任が決まっていた当該理事を永久停止とする処分案をまとめた。今月11日の理事会で承認される見通し。

 ◆日本クレー射撃協会

 99年10月の熊本国体秋季大会で、競技運営の手伝いをしていた同町の女子中学生数人に、協会役員2人が「胸が大きい」などの言葉を掛けたり、体を触るなどの性的嫌がらせをした疑惑が浮上。00年1月に連盟の理事20人全員が総辞職した。

 ◆日本陸上連盟

 01年に大分県内の元高校教諭が、女子部員にわいせつ行為をしたとして、強制わいせつ罪で起訴された。事件を受けた連盟は「倫理に関するガイドライン」を作成し、02年9月に発表。