<高校サッカー:星稜4-2前橋育英>◇決勝◇12日◇埼玉

 星稜(石川)が延長の末、前橋育英(群馬)を下し初優勝を飾った。

 2-2で突入した延長で、ここまで無得点だったFW森山泰希(3年)が爆発。左足で勝ち越し弾、右足ミドルでだめ押し弾をねじ込み試合を決めた。

 愛知・碧南市生まれ。J1名古屋の下部組織から星稜に進んだ。丸刈りで、攻守に労を厭わず走り回るパワフルな選手で、目標とする選手は「ルーニー(マンチェスターU)です」と笑う。この日はルーニー顔負けの勝負強さを発揮した。

 丸刈りにしたのは、2年生の夏だった。「髪を切ったら、点が取れるようになったので」と今も続けている。おかげで?

 星稜中の野球部員からは、先輩だと勘違いされよくあいさつされると苦笑いするが、この活躍で、もう野球部に間違われる心配はなさそうだ。

 昨年度は準優勝。涙をのんだ。1年前の首にかけられた銀色のメダルはすぐに愛知・碧南の実家に送った。「自分で持っていて、首にかけようと思ったんですけど、金色のメダルを取るまでは首にかけるのはやめようと思って」。バッグに大切にしまった金色のメダルも「これも実家に送ります。大学に行くんで」。早くも再スタートを切る。

 黒い特製のチャンピオンTシャツがよく似合う、星稜のルーニー。星稜から名古屋に進んだ大先輩本田とは逆のルート、名古屋→石川と進む期待のFWの成長に注目だ。

 なお、名前がよく似ているが、J1名古屋で活躍した元日本代表FW森山泰行氏とは「まったく関係ないです」と何度も説明していた。