東北唯一のサッカー「なでしこリーグ」の東京電力マリーゼが2月、3年ぶりに新監督を迎え入れ新たなスタートを切った。そのマリーゼで、エースとして活躍するFW丸山桂里奈(25)が、新体制にかける思いを語った。04年アテネ、08年北京と2度の五輪に出場。今季は主立った代表の予定はなく、これまでの貴重な経験を100%、マリーゼで発揮できるという。サッカー選手であると同時に、年ごろの女性でもある丸山。結婚観についても聞いてみた。【取材・構成=三須一紀】

 ディビジョン2から、1年でトップリーグに戻った昨季、マリーゼは8チーム中6位と低迷した。東北、そして本拠地の福島に元気を吹き込むべく、昨季までJ2湘南を率いた菅野将晃新監督(48)を招き「3位以内」を目標に掲げた。

 ――菅野新体制の手応えは

 丸山

 菅野さんとは目指しているものが同じ。(チームの)みんなは3位以内って言ってるけど(監督は)実際は優勝を狙ってると思う。私もそう。

 ――今季のマリーゼは変わりますか

 丸山

 変わると思います。ミッチー(宮本ともみ)が来て、いいパスが増える。今まで以上に得点できるチャンスが増える。

 ――ズバリ今季の目標は

 丸山

 15得点。そしてリーグ優勝です。

 世界4位となった北京五輪から約半年。あらためて夢の舞台を振り返った。そして12年、ロンドン五輪の存在にも触れた。

 ――五輪とは、どういう場所か

 丸山

 スポーツをやっている上で一番、目指さなきゃならない場所だと思います。サッカーをやめても一生、忘れない場所です。

 ――ロンドン五輪を目指しますか

 丸山

 (五輪は)1回より2回、2回より3回って思います。ロンドンでは29歳。選手としても、人としても一番いい時。だけど…長いですよね。アテネ終了後は、若いから「北京目指そう!」って思った。でも、その道のりを思い出すと、けがが多かったり、マリーゼが2部に落ちたりと、大変だった。その道のりを知っているからこそ「4年後を目指す」とは、すぐには言えない。まずは目の前にあることから挑みたい。それが(今季の)リーグ優勝です。

 現在25歳。私生活を考えた上で、さまざまな葛藤(かっとう)があるという。

 ――年ごろの女性として結婚願望はありますか

 丸山

 結婚したいです。早く子ども産みたい。子ども好きなんですよ~。

 ――好きな男性のタイプは

 丸山

 思いやりがあって。感謝の気持ちを忘れない人。顔じゃないっすね。

 ――引退した後のビジョンはありますか

 丸山

 主婦!

 って言いたいんですけど、女子サッカーで経験したことを(後輩たちに)伝えていかないと、という思いもあります。

 世界最高の舞台を踏んだ美人ストライカーは日々、人生のゴールも模索中だった。それと同時に、福島への思いも強かった。

 丸山

 県全体でマリーゼを応援してくれる。勝って福島を(全国に)アピールして、喜ばせたい。