<J1:神戸3-2浦和>◇第24節◇29日◇ホムスタ
神戸はFW吉田孝行(32)がJ史上6番目となる開始16秒弾で浦和を撃破。今季初の3連勝を飾った。
試合開始16秒。神戸FW吉田が一直線にゴール前へ走り出した。MF朴の前線へのパスを受けると、浦和の日本代表GK都築を交わし、右足で先制ゴールを挙げた。たった16秒で2戦連発を達成し、32歳のベテランは大歓声を浴びながら仲間にもみくちゃにされた。
「自分でも何があったのか…という戸惑いがありました。ファーストタッチがゴールになったんですから。ビツ(石櫃)が『オレまだボールに触ってないのに点が入ったよ』って驚いてたくらいですから」。
19日鹿島戦では同僚のFW大久保が、31秒弾を決めたばかり。エースを15秒も上回る一発は、J史上6番目の記録になった。それだけでは終わらず、前半29分にも頭で2点目。一時は同点に追いつかれながらも90分間走り抜き、今季初の3連勝に大きく貢献した。
浮き沈みの多い人生を歩んできた。97年ワールドユースを目指すU-20(20歳以下)日本代表では柳沢(現京都)と2トップを組み、トップ下に中村俊(現エスパニョール)がいた。しかし本大会直前に足首を負傷。世界で活躍する夢は消えた。翌98年には所属の横浜Fが消滅。その最後の試合となった99年元日の天皇杯決勝では意地のゴールを決め、消えゆくクラブを頂点に立たせたこともある。
07年オフには横浜を戦力外になり、地元神戸に拾ってもらった。だからこそ謙虚さを忘れない。「自分が活躍しているのは(大久保)嘉人のおかげ。アイツがマークを引きつけてくれるから、オレを生かしてくれるからです」。苦労を重ねてきた男らしく、ヒーローになっても浮かれることはなかった。【益子浩一】



