東京Vの元日本代表FW大黒将志(29)の横浜FC移籍が27日、正式発表された。前日にチーム間では合意していたものの、発表がこの日にずれ込んだのは背番号の問題があったから。用意された9番は、すでに仙台から新加入のFWサーレス(23)で発表されていた番号。結局、サーレスの37番への変更で収まったが、1度発表された背番号の変更は異例中の異例だ。

 「9」は点取り屋にとって特別な番号。交渉の過程で「9番を空けて待っている」という間違った情報が大黒に届いた。「大黒選手が9番にこだわったわけではないが、決断の要因にはなったかも」と横浜FC強化担当の北川取締役。急きょサーレスに連絡し、この日の朝に打診。「背番号は気にしない」とサーレスが了承したために、全選手に説明して移籍が決まった。

 ドタバタの契約の後、午後練習からチームに合流。ミニゲームで3得点し「たくさん点を取って、チームのJ1昇格に貢献したい」と話した。尊敬するFWカズと昼食をともにし「たくさん点とってくれと言われました」と笑顔をみせた。岸野監督が「動きだしの良さは日本でも1、2。相当点をとるでしょう」と期待するストライカーが、横浜FCをJ1へ導く。【荻島弘一】