反骨精神が一層気力をみなぎらせた。29日のG大阪戦(万博)に臨む磐田GK川口能活(35)は「チームのために全身全霊を尽くしたい。自分自身にとっても、この連戦がベストの状態を取り戻すチャンスになる」と言い切った。27日に発表された新生日本代表メンバーに川口の名はなかった。しかし、チームが29日から迎える14日間で5連戦の超過密日程をチャンスに変える。

 誰よりも、自身が納得できる形で日の丸を背負いたい。6月のW杯で統率力を買われて南アフリカに向かった。1年4カ月ぶりの代表復帰を喜ぶ一方で、けがからの復帰を前にしてのサプライズ選出に複雑な思いもあった。8月に入って公式戦に復帰したばかりで、まだまだ本調子を取り戻す余地はある。「自分も周りも納得する形で代表に呼ばれなければ意味がない」と、4年後の舞台に立つ自信はあっても焦りはない。

 川口の復活に合わせるように、チームも右肩上がりに上昇している。29日に勝てば3年5カ月ぶりのリーグ3連勝。さらに中2日でナビスコ杯準々決勝もある。「今はチームの地盤をつくっていくだけ」。結果を残せば、すべては好転する。川口の逆襲は、もう始まっている。【栗田成芳】