日本サッカー協会が、ワールドカップ(W杯)カタール大会後の日本代表監督として、森保一監督(54)の続投を視野に入れていることが14日、分かった。W杯で一定の結果を残した場合、続投要請する方針だ。一方で反町康治技術委員長が10月、スコットランドのグラスゴーを訪れてセルティックのアンジェ・ポステコグルー監督(57)と接触した模様。次期監督の人選は、この2人が中心になる。

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日本協会の基本路線は、森保監督の続投になる。カタール大会の目標は日本代表史上初の8強と定め、同監督も「新しい景色を」と8強以上をチーム目標に掲げている。強豪のドイツ、スペインと同組。ハードルが高い分、目標達成なら、W杯後も継続して森保監督に日本代表の未来を託す方向だ。

事実上の「死の組」。勝敗だけでなく、戦い方、チームのムードなども検証しながら、日本協会が総合的に判断する。ある幹部は「善戦したけれど、あと1歩及ばなかったというケースもある」と話した。目標の8強以上なら文句なしだが、チームが固い結束で一枚岩になるなど、今後への期待感を持たせる戦いをすれば、16強止まり、1次リーグ敗退でも続投の可能性はある。

次期監督を人選する技術委員会内には「目標の8強に入らないと続投は難しいのでは」「日本代表に新しい空気が必要」という声もある。2日の技術委員会では次期監督の話題が上ったが、反町委員長が全委員の前で「W杯が終わるまでは森保監督を全面バックアップします。次期監督人選についてはW杯終了後まで封印します」と伝えたという。

その一方で、同委員長はさまざまな状況を想定して、次期監督候補リストの原案を作成している。最も有力なのは、元横浜監督で現在スコットランド1部のセルティックで指揮しているポステコグルー監督だ。

9月の日本代表のドイツ遠征。同委員長は試合後すぐに帰国せず、約10日間欧州にとどまり、日本人選手が所属するシントトロイデンなど複数クラブを回ってあいさつした。各クラブの幹部と会い、代表選手派遣のお礼と今後の協力態勢などを話し合ったが、セルティックだけは幹部とは別にポステコグルー監督とも直接会ったようだ。

同監督は横浜で3年半指揮を執り、19年にはJリーグを制覇。21年からセルティックの監督を務め、チームには日本代表の前田、W杯メンバーからは外れたが旗手、古橋が在籍するなど、日本との絆は深い。今季は最高峰の欧州チャンピオンズリーグ(CL)に出場。手腕が認められ、プレミアリーグのクラブの監督候補に何度も報じられている。オーストラリア代表監督として14年W杯ブラジル大会(3敗)で指揮を執った経験もある。

協会幹部は「正式なオファーではなく、ポステコグルーと軽い意思の確認はした。(日本代表監督就任へ)否定的な答えではなかったと聞いている」と話す。 他の候補として、来季も名古屋と契約更新している長谷川健太監督や複数の外国人監督の名前も入っているが、森保監督とポステコグルー監督が、選択肢の中心となる。日本人監督の続投か、日本を知る外国人監督の就任か。判断の時期は、そう遠くない。