W杯カタール大会1次リーグ初戦での日本代表の活躍に、喜びの声が広がった。W杯優勝4回のドイツに逆転勝ちするというサッカー史に残る一戦に、ひときわ大きな歓声を上げたのが川崎市宮前区のサッカークラブ「さぎぬまSC」の関係者だ。

さぎぬまSCは、セレクションがなく、誰でも入会できる小学生を対象にしたクラブ。しかし、ここから巣立ったGK権田修一(33=清水)DF板倉滉(25=ボルシアMG)MF田中碧(24=デュッセルドルフ)がドイツ戦で先発出場し、後半12分、MF三笘薫(25=ブライトン)が投入されると、後半26分、田中が交代するまで14分間、卒業生4人が同時にピッチに立つという快挙を達成した。しかも、試合では権田はビッグセーブを連発して2点目を防ぎ、三笘は後半30分の堂安の同点ゴールの起点となった。38分の浅野の逆転ゴールは板倉のFKから生まれた。

「11人のうち4人が出身者なんて、あることじゃないです。昨夜はコーチやクラブ関係者24、25人で鷺沼のピザハウスでテレビ観戦の予定だったのですが、50人くらいにまで増えて、権田コールや三笘コールで、歓喜の嵐でした。こんな素晴らしいことはないです」と話すのは、さぎぬまSCの沢田秀治代表(64)だ。1979年(昭54)創設のクラブで、権田は17期生、板倉は25期生、三笘は26期生、田中は27期生。皆、鷺沼小学校の土の校庭でボールを追い掛けてきた。「クラブを維持してきたご褒美なのかな。本当に夢のようで、感動しました」(沢田代表)。

決勝トーナメント進出を懸けた27日のコスタリカ戦は試合開始が午後7時で、小学生も観戦できる時間帯のため、クラブの子どもたちも一緒にテレビ観戦する予定だ。「子どもたちが130人、保護者と合わせて250人くらいのパブリックビューイングを考えていましたが、もっと増えそうな感じです」。沢田代表はうれしそうに話した。【中嶋文明】

◆さぎぬまSC 小学生を対象とした川崎市宮前区の地域密着型サッカークラブ。選抜試験はなく、初めてボールを蹴る子も入団できる。約130人の児童が在籍し、各学年の監督(代表者)は保護者。大学生や社会人になった卒団者が指導している。練習は毎週水、土、日。過去に県大会準優勝、関東大会ベスト8などの成績を挙げている。