“1ミリ”差の勝利だった!?

日本(FIFAランキング24位)が強豪スペイン(同7位)を破り、E組1位で2大会連続の決勝トーナメント(16強)進出を決めた。後半にMF堂安律(フライブルク)、田中碧(デュッセルドルフ)が得点し、逆転勝ち。2勝1敗の勝ち点6とした。8強を目標とする日本は、1回戦ではF組2位のクロアチアと対戦する。

勝負を分けたのが、後半6分の勝ち越し点の場面だった。

右サイドから堂安がゴール前へグラウンダーのパスを通したが、ゴール前で合わせられず、左サイドへ流れた。ゴールラインを割ったかどうかのギリギリのところで、三笘薫(ブライトン)が体勢を崩しながらも左足で中央へ折り返した。これを田中が押し込み、勝ち越した。

すかさずVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックが入った。ボールがゴールラインを割ったかどうかの判断だった。結果的に、ライン上にボールが残っていたという判断で、ゴールが認定された。

17条からなる競技規則では、第9条に「ボールインプレーおよびボールアウトオブプレー」の項目がある。そこには「グラウンド上または空中で、ボールがゴールラインまたはタッチラインを完全に越えた」時がアウトオブプレーと記されている。つまり白線の延長上に、少しでもボールの一部が触れていれば、「ボールインプレー」となる。

三笘がボールを蹴った場面、後方から見た場合はボールが完全に白線上から切れたようにも見えたが、上空からボールに正対した位置では、ボールが白線上に触れていると認定された。

殊勲の三笘は「律がクロスを挙げる瞬間に来るなと思ったし、1ミリでも中に入っていればいいと思って足を伸ばしました」。

まさに1ミリかどうか-。紙一重のプレーから飛び出した奇跡的なプレー。運も日本に味方したといえる。

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